第二章
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「どうかしてるわ」
「一体何が悪いのよ」
「同性愛は素晴らしいものよね」
「こんないいものはないわ」
「そうよ、異性同士じゃなくて同性愛もある」
良子は強い声で言い切った。
「その懐の広さが欲しいわよね」
「全くよね」
「じゃあこれからも同性愛について語り合いましょう」
「やおいについてもね」
同志達は誓い合った、そして良子はこの趣味を満喫していった。
そしてシルバーワークで汗を流しつつそうした作品を読んでいたが夫はそんな妻に対してこんなことも言った。
「十代からで」
「もう還暦だけれどね、私も」
「まだそうした趣味あるんだな」
「三つ子の魂百までっていうけれど」
良子は今度はそうした小説を読みつつ応えていた。
「こうした趣味もよ」
「永遠のものか」
「そうよ、ずっとね」
それこそというのだ。
「私はこの趣味を楽しんでいくわ」
「本当に三つ子なんだな」
「そうよ、死ぬまでね」
まさにというのだ。
「私は同性愛好きつまりね」
「腐女子か」
「そうよ、腐女子としてね」
誇り、それさえ見せて言うのだった。
「私はこれからもやっていくわ」
「そうか、まあ誰に迷惑もかけてないしな」
夫はそれでと応えた。
「犯罪でもないしな」
「犯罪にする方がおかしいでしょ」
「少なくとも日本じゃな」
「そう、だからね」
「これからもか」
「私はこの趣味を満喫するわ」
こう言って今は小説を読んで楽しんだ、そしてだった。
良子は還暦以降も腐女子であり続けた、そうして天国でもそうであると言って夫にならそうしろと言われたのだった。
歳を取っても腐女子 完
2023・8・24
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