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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
隠伏-ひとをかくすなら-
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れたのはハンバーグだ。
「あの豆腐から作ったのか?」
「まぁな。豆腐ハンバーグってあるだろ?カロリー控えて女性でも美味しく食べられるってヤツ。腐るほどあるって言うから惜しみなく使わせてもらった。」
そうか。
挽肉が足りなくとも大半を豆腐で補える豆腐ハンバーグならなんとかなる。
野菜はとりあえずあったので付け合せも完璧。
野菜の切りくずから出汁を取ったスープも付いていてさらには可愛らしい丸いパン、ブールもある
パッと見西洋料理店で出されるハンバーグのセットとそう変わらないものだろう。
さらに、ハンバーグにはもうひと工夫施してあった。
「歯応えがあるのね…もしかしてこれ…蓮根入ってるのかしら?」
「正解。」
中に固めの歯応えがあるものが入ってる。
ブーディカはそれを見事に当ててみせ、作った本人は嬉しそうだった。
「刻んだ蓮根を混ぜ込んだんだ。歯応えのあるものはよく噛む。よく噛めば満腹感が得られる。限られた食材で腹いっぱいになってもらう為、ちょっと細工をしたんだ。」
「すごいのね…あとはうどんとかあれば文句な…」
「武蔵。」
うどんがあればいいのにとねだるので止めさせる。
「うどんか…?小麦粉は無いが米粉はある…作れるかもしれない…。」
後で聞いたが小麦粉と米粉を間違えて発注したらしい。
そこでさらに彼はひと工夫。米粉を使ってパンを作ったのだ。
ところであの新人…また怒られてなければいいが…。
「少してんやわんやしたが、まぁこうやってたくさんの人が笑って食べてくれる。これ以上嬉しいもんはないさ。」
そう言い、厨房の窮地を救った彼は周りのテーブルを見やる。
家族や旅の者、俺たちのようにサーヴァントを連れているマスター。
彼らは皆文句を言うことなく、それどころか美味しいと言って喜んで口に運んでいた。
「誰も皆、不満に思ってなどいませんね。」
「お前がそう言うのなら、本当にそうなのだろうな。」
柏原がそう言っているんだ。皆心の底から美味しいと感じてくれている証拠だ。
「っしゃ!じゃあ明日はお客様のリクエストに答えてうどんにでもするか!!」
「ほんと!?ありがとう名も知らぬさすらいの料理人さん!!」
「どうも」と彼は武蔵に礼を言うと、俺に目を合わせ手を差し伸べる。
「…?」
「悠里。
龍 悠里
(
りょう ゆうり
)
だ。マスター同士ここで会ったのも何かの縁だろ?自己紹介しておこうって思ってな。」
「そうか。」
出された手を握り、握手を交わす。
「竜胆 大和だ。武蔵のマスターでモノを問わず届ける仕事をしている。」
「運び屋さんか。俺はまぁ…そこの武蔵さんが言った通りさすらいの料理人…かな?」
と、自分で言ったのが照れ臭く
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