ウィザードという名の仮面
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いく。それぞれの輝きが増し、より美しさを宿していった。
「……これが、ウィザードの……本当の姿だったのか」
ハルトは、四つの指輪の一つ___ルビーの指輪を掴み、左手中指に嵌める。同時に右手に、普段から使っている指輪を嵌め、腰にかざした。
『ドライバーオン プリーズ』
腰に生じた銀のベルト。触れてみると、馴染む手触りが帰ってくる。ハルトの皮膚とベルトが、完全に呼応しあっている。
「行くよウィザード。今度こそ……本当の意味で、俺と一緒に戦ってくれ!」
ハルトはそのままベルトの端に付いているつまみを操作する。ベルトの機構が動き、バックルの向きが変更された。
『シャバドゥビダッチヘンシーン シャバドゥビダッチヘンシーン』
流れる、呪文詠唱。
何の感情もわかないほど聞き飽きたはずの音なのに、今はそれがとても心地いい。
思わず、ハルトの口元に笑みが浮かぶ。
「変身!」
左手のルビーの指輪にカバーをかぶせると同時に、赤い眼となったハルト。顔にファントムの紋様を浮かび上がらせ、告げた。
ハルトの魔法使いとしての姿、ウィザード。だが今は、ハルト自身のドラゴンの力も混じり合っている。
魔法使いとファントム。二つの力が混ざったそれは。
『フレイム ドラゴン』
ハルトが大きく左腕を振る。
真紅の指輪より発生した魔法陣が、徐々に大きくなり、アマダムの攻撃の盾となる。
そしてそれはゆっくりとハルトの姿に重なる。
すると、ハルトの体よりファントムの魔力が赤いドラゴンの幻影となって飛び出す。
それはハルトの体を旋回、その魔力を改めてその身に纏わせる。
やがて、全身から燃え盛る炎。
紅蓮の魔法陣が、これまでのウィザードの姿から進化させていく。
『ボー ボー ボーボーボー』
炎の魔法が、ウィザードの体に定着する。紅蓮のローブを纏う、新しいウィザード。ドラゴンの顔が胸元に浮かび上がり、これまでのウィザードと大きく印象を変えていく。
それは。
「過去から目を反らすのは……もう、終わりにしよう」
ウィザード フレイムドラゴン。
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