ウィザードという名の仮面
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ハルトが持つウィザードの力。その多くは、ファントムであることに由来する大量の魔力が礎でもある。
「ハルト。お前にとっての仮面ライダーは何だ?」
「俺にとっては……」
「おじゃるおじゃるおじゃる〜!」
その声に、ハルトたちは顔を強張らせる。
銀色のオーロラとともに現れたアマダム。ローブに身を包んだ彼は、扇子を手にしながら踊っている。
「アマダム……」
「探したぞ、ウィザード。いや、もうその名で呼ぶのもおこがましいか。松菜ハルト否……ただのファントム」
アマダムは意地の悪い笑みを浮かべる。
「お前……結構しつこいな」
「言っただろう? ウィザードには恨みがあると……同じドラゴンのファントムであり、ハルトの名を持つお前は逃さんよ?」
何を言っているのか、ハルト、可奈美、真司は分からない。
ただ一人、士だけが険しい顔でアマダムを見ていた。
「さあ、完全に回復した……本来のお前以上の力を持ったウィザードが……お前たちの敵だ」
アマダムはそう言って、ウィザードリングを掲げる。
火、水、風、土。
四属性の魔法陣が、それぞれ変身者のいないウィザードを作り出す。
フレイム、ウォーター、ハリケーン、ランド。
四人のウィザードは、それぞれウィザーソードガンを構える。
「さあ、ウィザードよ。本来の変身者いいや……! ファントムを、その手で葬れ!」
「やってやる! なあ、ハルト!」
気合を入れてカードデッキを突き出す真司。
だがハルトは、彼の前に手を伸ばす。
「ハルト?」
「俺がやる。手を出さないで」
ハルトはそう言いながら、数歩前に出る。
「ハルト? でも……」
「やらせてやれ」
それは、士。
彼は、それでもと前に出た真司の肩を掴む。
「これはきっと、奴にとっての試練なんだ」
「試練って……」
「松菜ハルトは、これまでウィザードという仮面を被ってファントムの正体を隠してきた。今アイツは、これまでお前たちとの壁にしていた仮面を割ろうとしているんだ」
「仮面……」
士はそのまま、可奈美の隣に並ぶ。一度可奈美へ目配せして、ハルトへ叫んだ。
「行け! 松菜ハルト! お前が、本当のお前を見つけるために!」
「ありがとう……!」
ハルトは士に感謝し、四体のウィザードを見つめる。
ルビー、サファイア、エメラルド、トパーズ。
四体のウィザードが並ぶという壮観に、ハルトは大きく息を呑んだ。
「ウィザードたちは……昨日までの俺は、俺が乗り越える」
ハルトがファントムである事実、その象徴たる赤い眼。
やがて赤い眼は、全身へファントムの紋様を走らせていく。
全身が赤い光に包まれ、その体が変わって
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ