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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第166話:錬金術のヒュドラ
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と一つ息を吐いて心を落ち着かせる。
「ふぅ……何のつもりか知らねえが、たくらんけ相手に遅れは取らねぇッ!」
[BILLION MAIDEN]
クリスのガトリングの装者を皮切りに戦闘が始まった。
空を自力で飛べない装者3人はクリスのミサイルを足場にしながら戦闘を行う。途中翼がミサイルを乗り捨て、逆羅刹を用いて自らを竹トンボの様に飛ばしながら空中のアルカノイズを蹴散らしていく。
一方こういう場面で強いのは颯人だった。ハリケーンスタイルでその身一つで空を飛べる彼は、空中を縦横無尽に飛び回りながら時に近くのアルカノイズを切り伏せ時に離れたところのアルカノイズを撃ち落とす。
颯人と装者3人が連携してアルカノイズを始末していると、席を外していたあおいが発令所に戻って来たのか状況を通信で知らせてくれた。
『アルカノイズ、残存数68%ッ!』
『それでも出てこない錬金術師……』
一般に投入した戦力の3割が損失した時点で全滅と言う判定を受ける。その理論で言えばこの時点で錬金術師側は無視できない多くの戦力を失った事になる。
普通の思考であれば、ここで戦力の追加投入を行うなり撤退させるなり判断するのが当たり前であった。
ただし相手は超常の存在。普通が通じない相手に普通の思考回路で臨むのは間違いであった。彼らはそれを間も無く知ることになる。
前線のアルカノイズを粗方片付け、颯人達は本命の大型アルカノイズへと接近する。するとそこでは、大型アルカノイズの下腹部が開きそこから多数のアルカノイズが投下されている光景を目にする事ができた。
「こうも奴らをうじゃつかせてるのは、あいつの仕業かッ!」
「つまりは狙い所……」
「ぶっぱなすタイミングはこっちで! トリガーは翼さんにッ!」
響と翼は早速その大型アルカノイズを始末しようと動き出す。あれが空母的役割の存在であるのなら、奴を潰してしまえばそれで終わりの筈だった。
しかし颯人は、あの多頭のアルカノイズの姿に違和感を覚えていた。
――何だろうな……アイツ、何か……?――
その違和感の正体に彼が気付かぬまま、響と翼、クリスの連携攻撃が大型アルカノイズへと襲い掛かる。響と翼の渾身の一撃が大型アルカノイズを細切れにし、散った破片をクリスが大型ミサイルで焼き尽くす。
「目に物見せるッ! ハァァァァッ!」
「そしてアタシは、片付けられる女だッ!」
[MEGADETH INFINITY]
クリスの叫びに颯人が何気なく翼へと視線を向けている間に、響、翼、クリスの攻撃を喰らった大型アルカノイズは赤い塵を撒き散らしながら消滅する……かに思われた。
しかしこの後、彼らは信じられない光景を目の当たりにする。
「あん?」
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