巧い話にゃ裏がある
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の通じないハゲだなぁ……分かったよぉ、ゆっくり食事をしたかったけど、今日の出来事を話すよぉ」
「今日の出来事?」
何だろう……リュカさんの今日の出来事が美味しい話しに繋がるのかな?
「今日はさぁ……仕事を部下に押し付けてさぁ……ビアンカとデートしたんだよね。最高に美味しいでしょ!」
「こ、このっ……!!」
落ち着いて下さいお義父さん。これはリュカさんの通常行動です。
「まぁ焦らずに聞けって(笑) デートで久しぶりにビアンカの故郷であるアルカパに行ったんだよね。そこでね……もぐもぐ……」
わざとなのは分かっている。話しながらも食事の手を止めない。
リュカさん初心者なら、ここで怒っているだろう。
初心者ではないお義父さんも、もう怒っているからね。
だけど余計なことを言うと、より話しが遅くなるから黙っているのが正解だ。
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我慢の甲斐あって話しの全容が見えてきた。
要するに……アルカパという町が町興しでブドウを使った商品展開をする予定らしい。
まだプロジェクトは始まったばかりだから、参入する(特に資金面)なら今の内だと言う事らしい。
「なるほどな……確かに町興しなどと言うモノはヒットすればリターンも大きい。今まさにヒットしているサンタローズの件も、出来れば事前に教えて欲しかった所だ。ピアノとバイオリンだけ奪っていって、些かズルいのではないか?」
「神事で金儲けしようとすんな!」
「まぁ良いだろう。とは言え、今回の件……如何するべきかのぅ? ブドウで町興しか……ヒットしなければ無駄金になる恐れの方が大きいのだが?」
「そこは関わってる当人達次第でしょ」
「随分と他人事ではないか? お前は何もしないのか?」
絶対リュカさんがこの案件の発案者だと思うのだが?
「僕が? 何で?? アルカパはラインハットだ。そしてラインハットはグランバニアからしたら外国だ。僕は手を出しては拙い。そのくらいはハゲ上がったお前の頭でも解るだろ?」
そうだよな……リュカさんはグランバニアの王様なのだから、他国への干渉は拙い。
「だとすると……リスクの方が大きすぎてワシは手を出せぬな」
「それは仕方ないね。僕も美味しいであろうと思った話しを持ち込んだだけで、強要する気は微塵も無い。ただ……」
「ただ……何だ?」
「アルカパの町興し委員会は近隣の農村にブドウの育成・栽培・量産を委託したんだ。委託された担当者は、まだ若い少年なのだけど、才能があり努力を惜しまない有望な人材だ。しかもその彼女は、その農村の教会の娘で聖歌隊のメンバーでもある。既に世界的に有名になってる聖歌隊で宣伝してくれることは疑いないだろう」
「それはそれは……だが聖歌隊で宣伝してもらえることが確定して
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