地域の活性化と抗えぬ血筋
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(ラインハット王国:アルカパ)
ビアンカSIDE
「……さて、落ち着いたかい?」
笑いに侵食された娘夫婦の落ち着きを待って、リュカの優しい声が部屋に満ちる。
先程までの騒がしさからは真逆で静けさが支配する。
「アルカパ活性化への道筋が大まかにだが決まった所で、僕から重大な提案がある」
リュカが重大と言うからにはかなりの事であろう。
身内等は解ってるから当然真剣な顔になるが、ここまで実力を見せつけられてきたスネイ町長側からも真剣さが伝わってきた。
「ここまでした話し合い……全部無効にしてくれる」
「「「はぁ!?」」」
うん。『はぁ!?』である。
コレまでの時間は何だったのか……今更無効と言われてもスネイ町長側は納得しない。
「まぁ聞いてよ」
ざわめくスネイ町長側の面々を手で制し、何が何なのか説明するつもりだ。
当然だわ。私も説明を求める!
「実は僕……グランバニアでは税金で飯を食ってる身なんだよね」
間違いでは無いわね。
リュカお得意の、相手に勘違いさせる物言いだわ。
「でね、そんな立場の人間が、地方とは言え他国に干渉する事は結構な問題なんだよ」
「確かにそうですね。内政干渉は国際問題になりますね」
流石は王子様。私なんかより解ってるわね。
「取り敢えず誰もが考えそうな大まかな案の提出と、それに必要な人材が存在する事の証明は終わったわけだし、僕が居なくても良くないかなって思うわけ」
「で、ですが……現にもう関わってしまってるじゃないですか」
この活性化規格を遂行したいスネイ町長は必死に食い下がる。
「そうかなぁ……僕、関わってるかなぁ? 今日は別に合コンしたと思えば良いじゃん。ほら丁度男4人女4人で楽しくお喋りしたワケだし。そんなさぁ、合コン中に出てきたくだらないお喋りの内容なんて誰も真に受けやしないよねぇ……きっとここに居る皆は今日の事は忘れてしまうと思うんだ」
「そうね……皆で“彼氏”“彼女”や“夫”“妻”を自慢し合っただけの会でしたし、何も気にせず明日からは日常を送ればいいわけですもんね」
「でもポピー……ここでの出来事は事実で、俺等はラインハット王都から無理矢理連れてこられたワケだし、ここでの会合は忘れてても会合の内容……特に活性化計画は、何らかの拍子に町長が思い出すかも知れないよ。誰からの提案だったのかは思い出せずに」
「そうしたら……町長自らが私達を集めて、活性化計画を発表して計画進行させれば良いじゃない。その時は、そこのデカい猫と飼い主夫婦が居ないかも知れないけど、記憶違いで元々居なかったかも……いえ、居たという記憶が間違いになるかも知れないわね」
「そうですね……私もウソを吐けと言われたくないし、ウソを吐きたくも無いです。純粋にフェルマーの実力を
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