地域の活性化と古い知人の安否
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た」
無理しなくて良いわよクリスチーネちゃん。
この人は一般人の常識では推し量れない非常識者だから。
「うん。それよりさ、お前ってこの町の町長なんだって? 丁度良いからさぁ、相談に乗ってよ」
「あ……は、はい。何かアルカパの事で問題でも?」
確かに……偶然とは言え昔の知り合いが町長なのは好都合ね。
「実はさ、僕等は現在グランバニアに住んでるんだけど……」
「え!? グランバニアって、あのグランバニア王国ですか!?」
「他にあんの?」
「い、いえ……無いですねぇ。ただ……かなり遠いなと思いまして。本日はご旅行ですか? お泊まりはここの宿屋ですか?」
「ううん、ルーラ。知ってる? ルーラって言う瞬間移動魔法」
「申し訳ございません。魔法には詳しくないもので……」
そうよね、ルーラって高度な古代魔法だから、知らない人の方が多いわよね。
「まぁ知らなくても問題無いけど、便利なんだよルーラって。だって僕等はグランバニア王国の王都、グランバニア一丁目一番地に住んでるのに、一瞬で往復できるからね」
「あ、はぁ……良い所にお住まいで」
多分解ってないわね。遠回しにグランバニア城に済んでいるって言ってる事に。
「んでさ、そんな遠くにも隣村サンタローズの噂が聞こえてきててさ、アルカパ出身の奥さんが羨ましがっちゃってさ」
「べ、別に羨ましがってるんじゃなくって、この町も発展して欲しいなって思っただけでしょ!」
「ツンデレ?」
「何でそうなるのよ!」
あぁもう。話が進まないわぁ……リュカの一言一言に一々反応しちゃダメなのは解ってるのに!
「まぁそういう訳でさ……サンタローズも僕が少しアドバイスしたら活気づいちゃったし、何か出来ないかなぁって思って視察に来たワケ」
「なるほど! ありがとうございます。正直私もサンタローズの活性化振りには驚いておりましたし、このアルカパも後に続ければ良いと考えておりました。何かご協力頂けるのでしたら、とても幸いであります」
「でね、先刻から宿屋を見てて思ったんだけど、ここの宿屋って昔ビアンカのお母さんが植えたブドウでブドウ棚を作って育ててたでしょ。それを引き継いだ今のオーナーが、ブドウの香りを染み込ませて“安眠枕”ってのを連泊した宿泊客に配ってた記憶があるんだけど……アレってまだやってるのかな? 僕は連泊しなかったから貰えなかったんだけど、そういうのを観光名物とかに出来ないもんかねぇ?」
えー……そうなの!?
お母さんが育ててたブドウで、何かお土産を作ってたのね!
でも人気が無いのかしら……あまり噂は聞かないわね?
「安眠枕はまだやってるらしいですけど、作り方がブドウ棚に枕を陰干しして匂いを付けるってだけみたいなので、生産性
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