地域の活性化と古い知人の安否
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逃さない男。
言われて私の後ろに隠れる巨大な猫……仲が良いわねぇ、相変わらず。
「あ〜あ……見損なったよプックルぅ。強い者に巻かれる男だと思ってなかったぜ……この権力者の犬め!」
「猫よ!」
「ふにゃぁ!」
「おぉ……上手い!」
私の一言にビシッと指を指して褒める夫。
ドッと笑いが起こった。
「あ、あの……ど、如何やら本当に危険ではない様だね」
そんなほのぼのを見たスネイ町長が恐る恐るながらも納得してくれる。
隣に居る多分奥様だと思われる女性の肩を抱き落ち着かせている。
「驚かしてごめんなさいね。改めて紹介するわ。夫のリュカと、あのときの子猫ちゃんのプックル……私達の大切な家族の一員よ」
「ぅにゃん!」
礼儀正しく(?)挨拶するプックルと肩を竦めて挨拶代わりにするリュカ。
「あ……あぁ! こ、これはご丁寧にどうも。旦那さんは殆ど憶えてないでしょうから“はじめまして”と挨拶させて頂きます。私はアルカパの町長をしておりますスネイと言います。こっちのは私の妻です」
「初めまして奥様。昔この町に住んでいたビアンカと申します」
「初めましてじゃないんですよビアンカお姉さん」
「えっ!?」
私はこれ以上印象を悪くさせない様に低姿勢で挨拶をしたが、それが功を奏したのか落ち着いた声で初見でないことを伝える奥様。もしかして奥様も、この町の出身?
「私、子供の頃にビアンカお姉さんに遊んでもらったことがあるんですよ」
「申し訳ない、紹介が遅れました。彼女は幼馴染みのクリスチーネ。よく一緒に遊んでた親友ジャイーの妹さんなんだ」
「まぁ……ジャイーの妹のクリスチーネちゃんだったのね!? あらあら懐かしいわぁ。お兄さんは元気かしら? 彼は町一番の問題児だったけど、流石に落ち着いたわよね」
「いえ……それが……」
「ジャイーは『一旗揚げてやる』と言って町から出て行ったきり、20年以上音沙汰が無いんだ。元気だと良いんだけど……」
「あら……ごめんなさい、知らぬとは言え失礼だったわね」
つい懐かしくて時間の経過という残酷な事実を忘れて喋りすぎてしまったわ。
「まぁ大丈夫だよビアンカ……そんなに気にしなくてもさ。そいつ悪ガキだったんだろ? “憎まれっ子世にはばかる”と言って、嫌われ者ほどしぶとく長生きするから。短命なのは僕みたいに万人に好かれる人間くらいさ」
悲しい気持ちになってしまった私を慰めてくれてるのか……
それとも本気で面識の少ない人間を貶しているのか……
その辺りが未だに判りづらいのよね……私の旦那って。
でも貴方が短命なのは本当に困るのよ……私的にも、世の中的にも。
「あ……その……ど、どうも……です。心配ではありますが、何だか元気(?)が出てきまし
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