暁 〜小説投稿サイト〜
リュカ伝の外伝
地域の活性化とペットの躾
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
しよう』って言ってくれて、そのまま直ぐにルーラで帰郷しちゃったのよ。

リュカは自分の意思って物をしっかり持っているから、意外にも色仕掛けって効かないのよね。
女癖が悪いから勘違いされるけど……
だから即日に行動するのって、彼の優しさだと思うわ。惚気じみてるけどね(笑)

飲食店が混むであろう昼食時を過ぎ去り、主婦は夕食の献立を考え始める頃、リュカのルーラでアルカパの町に降り立った。
着地の瞬間に魔法(ルーラ)の影響が切れ、短いスカートだと捲れて見えてしまう事をリュリュの一件で学んだ私は、しっかりスカートの裾を押さえ懐かしい町並みを見渡したわ。

先ずは軽く散策をして、宿屋の前の木陰の芝生に座って休憩する。
リュカには何か町興しになる案は出るかしら?
やっぱりサンタローズの様に教会の聖歌隊とかを使う方法になるかしら?

そんな事を宿屋を見上げる夫の横顔を見詰めながら思っていると……
「あれ? もしかして……ビアンカ? ここの宿屋の娘だったビアンカだよね!?」
と、突然誰かに声を掛けられた。

振り向くと、そこには40歳前後かと思われる身形のきちんとした男性が立っていた。
誰かしら……全然思い出せないわ?
リュカに訊いても……分からないわよねぇ。

「いやぁ……懐かしいなぁ。俺だよ、スネイだよ。この町の町長の息子だったスネイだよ。憶えてないかなぁ?」
「あぁ〜……憶えてるわ。ボンヤリだけど(笑)」
何となくだけど憶えてるわ。何時(いつ)も私にちょっかい掛けてきてた悪ガキの一人よ。

「ビアンカのお知り合い?」
「まぁそうね。知り合いではあるわね。憶えてないリュカ? 子供の頃に苛められてるプックル(子猫ちゃん)を助けた事があったでしょ。その時に苛めてた男の子よ」
この事は結構記憶に残っている。

「あぁ! あったなぁ、そんな事。そうか、あんときのガキか!」
如何(どう)やら思い出したらしく、凄く懐かしい……と言うより、楽しそうな事を思い付いた時の顔をしてるわ。こういう時は碌な事を思い付いてない証拠よ……不安だわ。

「よ〜し、ちょっと待ってろ。あの時に苛めてた子猫ちゃんを連れてきてやるよ(笑)」
「ちょ……や、止めなさいよ!」
言うや否や、スクッと立ち上がり即座にルーラで飛んで帰るリュカ。
こういう事に関しては取り分けフットワークが軽いのよねぇ……

「か、彼は……?」
「ごめんなさい。私の夫のリュカよ。憶えてる? 貴方たちが苛めてた子猫を助けた男の子を」
「あぁそうなんだ。あの時の男の子とご結婚なさったんだね。おめでとう。そっか……君も結婚してるよねぇ、そりゃ。今も昔も美人だしね」

「ありがとう。貴方は? ご結婚はされてるのかしら?」
「お恥ずかしながら結婚もして、1
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ