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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
越えられない壁
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もなく拳を打ち出す。それは防御に徹したはずのグラシアンの顔面へと突き刺さり、意識が途絶えかけているのが誰の目からも明らかだった。

「やはり温い。貴様らを捨てれたのは結果的には良かったのかもしれないな」

まだ終了のアナウンスはなっていない。しかし、グレイティスは床に倒れているグラシアンに興味がなくなったのか、背を向けてその言葉だけを言い残した。

「やっぱり・・・あんただったのか・・・」

そんな中かろうじて出てきた言葉はそれだった。しかしその声は観客たちには聞こえていない。そして背を向けている男もそれに聞く耳を持っているのかわからない。

「マスター・・・」

そう言って意識を失うグラシアン。後に残された大男は彼を横目で見ると、脳内に響いてくるマトー君の声へと耳を傾けながら扉へと手をかける。

「お前たちのマスターはスティングだろ。腑抜けどもが」

そう捨て台詞を残しその男は次の部屋へと歩を進めた。










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