越えられない壁
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!?みるみる迷宮を進んでいく!!これはこのままゴールへと辿り着けるかぁ!?」
これには実況席のチャパティも興奮している。ただ、その横にいる青年だけは不敵な笑みを浮かべていた。
「大事なルールを忘れてるねぇ、チャパティさん」
「大事なルール?」
「そう。これは一人でやるゲームじゃない。進んでいけばいくほど、リスクも伴うということだよ」
初めはその言葉の意味がわからなかったチャパティとヤジマは顔を見合わせる。しかし、グラシアンの進んでいく先を見て彼らもそれに気が付き、観客たちもそれを理解した。そして・・・
ガチャッ
「グラシアン選手!!グレイティス選手と遭遇です!!れ
グラシアンは自身の進行ルートにいた敵との遭遇に見回れていた。
「本当にあの場所にこのタイミングで到達できるとは・・・何者だ?あやつは」
長い髪をした女性はグラシアンを見ながら驚愕したような声でそう呟く。それを聞いていたショートヘアの女性はニヤリと笑みを浮かべて答えていた。
「そりゃあ今回のターゲットになるくらいだからな。それに、あいつにも一太刀入れたらしいぞ」
「へぇ。あの子の買い被りじゃなかったんだ」
クスクスと楽しげな雰囲気を醸し出している二人。その後ろにいる青年は不安げな雰囲気を出しており、彼女たちの隣にいる人物は興味がないのか座り込んで今にも眠りそうになっている。
「さて、それじゃあ見せてもらいましょうか。最強ギルドに所属していた同士の戦いを」
グラシアンside
目の前に佇む大男。その男の雰囲気から察するに、こいつはここで待ち構えていたのだろうとすぐに理解できた。
「待っていたぞ、グラシアン」
「やっぱり俺か」
大方予想はついていたが、こいつの待ち人は俺だったらしい。そうなるとこいつの正体はーーー
『それではルールに則り、これよりグラシアン選手vsグレイティス選手のバトルを開始します!!』
色々と考えたいこと、整理したいことはあるがその時間を与えてはもらえない。でも、それでいいかもしれない。その方がもしかしたら平常心で挑めるかもしれないのだから。
『それではこれより30秒間のバトルタイム!!スタートです!!』
有無を言わせることもせずに開始されるバトル。しかしその時間は短い。この時間で決着がつくことは早々ないはず。そう思っていた俺の心を見透かしていたのか、目の前の男は目にも止まらぬ速さで接近すると鍛え抜かれたその腕を振り抜いてくる。
「ぐっ!!」
その拳の重さ、速さ、全てが今まで戦ってきたどの敵よりも上だった。その鉛のような拳を
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