越えられない壁
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ーヘッド》からの参加者であらグレイティスさん。でも、私は一つ気になった点がありました。
「あれ?この匂い・・・」
消臭魔水晶を使っているからかほぼ無臭になっているグレイティスさん。しかし、この至近距離だからでしょうか、微かに匂いがします。それも覚えのある匂いが。
『ウェンディ選手、一分以内にお進みくださいカボ』
困惑している私に念話で語りかけてきたのはマトー君。その声で今の状況を思い出した私は扉に向き直ります。
「そうはいっても・・・」
ただ、今ここがどこなのか、そしてゴールがどこなのかもわからないこの状況。どの扉を選べばいいのか皆目検討が付きません。ただ一つを除いては。
(あれが本当なら、正解の扉はこれのはず)
ゲーム前に得ることができた数少ない情報。そのうちの一つが本当ならと、私は目の前の扉へと手を伸ばしました。
シリルside
『ウェンディ選手成功です!!』
「ふぅ」
無事に正解の扉を開くことができたウェンディ。そのことに安堵の息を漏らしていると、両隣にいるカナさんとルーシィさんがニヤニヤとこちらを見ていることに気が付いたため、咳払いしてビジョンへと意識を戻す。
「よく正解できたわね」
「たぶん・・・カミューニさんがゲームを考案したって聞いたからですね」
ミラさんも驚いたような声を出しているけど、ウェンディは恐らく最初のカミューニさんの言葉から今の回答にたどり着いたんだと思う。彼の性格の悪さならきっとこちらの疑心暗鬼を利用してくると踏んで、最初は目の前の扉を選ぶべきだと悟ったんだ。
「でもここからはノーヒント。どう進むのが正解なのかしら」
「進め方は三通りと言ってましたけど・・・」
しかも三通りのうちの一つは一回しか出てこない。実質は二通りと言うことになる。ただそれがどんな進み方なのかわからない限りは正解を確定することはできない。
『ウェンディ選手失敗です!!続いてーーー』
彼女もさんざん迷った結果左側にある扉を選択したが失敗。残念そうにしている少女は次のターンまでの間しばらくその場で待機することになっていた。
あれからしばらく経つが、なかなか展開が進んでこない。それもそのはず、ほとんどの参加者がなかなか正解の扉を見つけることができず進むことができないのだ。
『皆さん、なかなか進みませんね』
『うむ。これは相当難しいゲームになるだろうね』
これには実況席もなんといえばいいのかわからず困惑している様子。そんな中、みんなが迷宮をさ迷っている様を見て笑みを浮かべている者がいる。
『当然だろ?
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