越えられない壁
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いたけど、始まったのを見ていると何とも絵面が地味だ。だって扉に手をかけて開くか開かないかをやっているだけ。実況席もそれ以上のことが言えずに困っているようにも見える。
『ああっと!!グラシアン選手、三つ目の扉は開くことができませんでした!!』
二つ目の扉から正面に見える扉へと手を伸ばしたグラシアンさんだったけど、それは失敗に終わりターン終了。次のターンは四つ首の猟犬のロッカーさん。
「はぁ・・・目隠しされてるグレイ様も素敵」
そんな中隣でうっとりとした表情でいまだターンの回ってきていない参加者の一人を眺めているジュビアさん。うちがウェンディを出した途端にグレイさんが出てきていたので、恐らくジュビアさんとの戦いを回避したかったのだろう。
『おっとロッカー選手!!いきなり失敗です!!』
悔しそうな表情のロッカーさんの姿が魔水晶ビジョンへと映し出される。しかも今回の彼の失敗は見ていた側からすればタメ息を付きたくなるようなものなのだ。
「しかしこれ、カミューニの性格の悪さが滲み出てるわね」
「そうですね。まさか全員角部屋からのスタートなんて思っても見ないでしょ」
そう、実は今回の八人の参加者は四つの部屋へとそれぞれ移動され、スタートとなっている。それも角の部屋から始まっていることから、二つの扉は何の部屋もない壁へと繋がっている扉。つまり正解は実質的に二択しかないのだ。もちろん見ている俺たち側からすればだが。
「しかも正解を私たちが知ってるから見えるけど・・・」
「これは最初で躓く人が多いですよ、きっと」
実は全員が配置についてからカミューニさんが言っていたのだが、最初の正解は今全員が正面を向いている扉なのだ。つまり視界が開けて最初に目に入った扉に何の疑問も抱くことをせずに手を伸ばせば最初の正解が得られる。
ただ、もちろんそんな簡単に目の前の扉に手を伸ばすことなんかできない。迷宮という名前からしてそんなことを運営側がしてくるとは微塵も思っていないだろうから、全員が全ての扉を見て周り、結果正解から離れてしまうという仕組みだ。
『続いて人魚の踵のベス選手も失敗です!!』
「次はウェンディか」
前の三人が終わったことで次はウェンディのターン。彼女は目隠しが外れると一度周りを見回し、すぐ隣にいる男に目を見開いていた。
ウェンディside
私の順番になったからでしょうか、真っ暗になっていた視界が開けました。そして部屋の中を確認すると、隣に私の倍はあるのではないかというほどの大柄な男性が目に入ります。
「この人は・・・」
隣にいるのは|狩猟豹の頭《チータ
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