第二章
[8]前話
「こうしてね」
「サウナもですか」
「入るのよ、そしてね」
そのうえでというのだ。
「最後の汗をかくのよ」
「サウナってスタイル維持にもいいって知ってますけれど」
実は暑さに弱い明日香は困った顔で言った。
「かなり入ってますよね」
「そう、かなり入ってね」
真冬も汗だくなりつつ応えた。
「そしてよ」
「最後の汗をかいて」
「身体の悪いものを出してね」
サウナのこの効用も活用してというのだ。
「スタイルもね」
「維持されますか」
「そうなのよ」
「先輩のスタイルの秘密がわかりました」
明日香は死にそうな顔で言った。
「ただ私には無理です」
「いやいや、私は我慢の限界まで入ってるけれど」
それでもとだ、明日香に言うのだった。
「西田さんは西田さんの限界まででね」
「いいですか」
「そこは人それぞれだから」
それでというのだ。
「限界になったら出てね」
「水風呂に入っていいですか」
「そうよ、それぞれの限界まで我慢する」
「そうすればいいですか」
「そうよ、私がどうかじゃなくて」
「私自身がどうかですか」
「そうよ、お手本にしてもらって嬉しいけれど」
真冬はこうも言った。
「お仕事でもね」
「気付いておられました?」
「ええ、ただそれでもね」
「私自身がですか」
「人それぞれだから。そこも弁えて」
そうしてというのだ。
「何でもたっていってね」
「わかりました、じゃあ一旦出ます」
明日香はそれならと答えてだった。
サウナを出た、そして水風呂で徹底的に冷やしてからだった。
サウナに戻った、すると真冬は微笑んで言った。
「入れ替わりになるけれど」
「水風呂行かれますか」
「ええ、私の限界にきたからね」
「わかりました、それじゃあ」
「ええ、また戻るわね」
「わかりました」
明日香は笑顔で応えた、そしてこの日からだった。
真冬を手本にしつつも自分自身も見て仕事もトレーニングもしていった。すると彼女も後輩に慕われる様になった。だが彼女も後輩達に真冬と同じことを言ったのだった。自分自身も見てそのうえでやっていく様にと。
限界まで我慢 完
2023・8・18
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