第二章
[8]前話
「安心してね」
「そうか、それじゃあな」
「集まって落ち着きましょう」
クラスメイト達は菫の言うことを聞いて彼女の言う通りにした、すると蛇は彼等が集まったのを見て自分から方向転換してだった。
皆がいる方から去った、そしてそのまま山の茂みの中に入っていった。こうして蛇の話は一件落着となったが。
「菫ちゃん凄いな」
「そうよね」
「蛇を見ても落ち着いてるなんて」
「全く平気なんて」
「普段から凄いけれどな」
「今もなのね」
「いや、私今の場所に引っ越すまで奈良の南方の山奥で暮らしてて」
菫は自分のことを言うクラスメイト達に笑って返した。
「こうしたの慣れてるの。それで一緒に暮らしてる村役場で勤めてたお祖父ちゃんからいつも人に優しくしなさい礼儀正しく親切にしなさいって言われて」
「それでか」
「そうした性格になったの」
「それでお祖父ちゃんが定年して転職したお父さんお母さんと今いる場所に出て来たから」
それでというのだ。
「私皆と一緒にいるの」
「そうなんだな」
「菫ちゃんって野生児だったのね」
「ずっと山奥で暮らしてた」
「お祖父さんに色々教わったのね」
「そうなの。お祖父ちゃん今も凄く元気でね」
その祖父のことを明るい笑顔で話した。
「働いてるの」
「そうなんだな」
「今もなのね」
「凄くいいお祖父ちゃんよ。よかったら会ってね」
笑顔のまま言う菫だった、そしてお弁当を食べた後も明るく新設に皆と接していった。
後日クラスメイト達は菫の家にお邪魔して彼女の祖父と会った、すると菫の祖母といつも一緒にいる彼は温和そうな笑顔の老人だった、だが。
性格や行動は菫そっくりでやはり野性的で山や自然のことに詳しかった。それで多くのものがわかったのだった。
「菫ちゃんってお祖父ちゃん似で」
「地はお祖父さん譲りなのね」
「どうしてあんな礼儀正しくて優しくなったのか」
「こうした人がお祖父さんだからなのね」
クラスメイト達はこのことがわかった、そのうえで菫と仲良くしていった。祖父譲りの優しい子心を持つ可愛らしい野生児と。
可愛い野生児の元 完
2023・8・16
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