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リュカ伝の外伝
モテる男はツラいぜぇ
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女の手を取り口吻をしようと自らの口に近付ける。見てろオカマ共、真の男の所作を見せてやる。

「きゃぁ! 何だコイツは!? いきなり私の手に涎を付けようとしてきたぁ!」
「え、違っ!!」
俺の手を振りほどき慌てて後ずさる美女。

「違うよ(笑) ……コイツはお前の手にキスをしようとしたんだよ」
「え!? 何でよ……キショっ!」
キショって……そんな!

「男の方は……皆、初対面の女の手に唾液を付けるんデスカ?」
い、いや……唾液を付けようとしたのではなく……
「まぁ……気取った男はスマートな作法として女性の手の甲に口吻をしてアピールするかもな」
俺から手と身を守る様に遠離り、先程の行為をオッサンに質問した……そのオッサンの答えもトゲがある。

「だが今のは礼儀がなってない。普通は女性の前に跪き、自己紹介をしてから相手の反応を待つ。そして相手が手を差し出したら、スマートに手早くキスをするのが最もエレガントだ。コイツはがっつきすぎている……三流以下だな」

ふ、ふざけんな!
俺が三流以下だと!?
由緒あるネル子爵家の俺に対して三流以下だと!!!!

俺は殴ってやるつもりでオッサンを睨んだ……
だが、オッサンから返される眼光が鋭く、冷静さを取り戻す。
そう……ここで滅多矢鱈に拳を振り回してもスマートじゃぁない。一流貴族の男として引いてやるのが優しさだろう。

「まぁそれでも、最近のサンタローズ(この村)の男共よりかは見込みあるんじゃないの?」
「この村の男性が如何(どう)かしました?」
やっと現れた熟女シスターも不思議に尋ねる。オカマ揃いってことだろうな。

「おやシスター。本日もお疲れ様でした」
近付いてきたシスターの前で跪くと、恭しく挨拶をするオッサン。
それに対してシスターもスッと左手を差し出した。

差し出した手にキスをされ、頬を赤らめる熟女シスター。
オッサンは颯爽と立ち上がり熟女シスターを見詰める。
頭一つ背の高いオッサンを見上げる熟女シスターの瞳は恋する乙女の様だ。
ちっ……このオッサン、既に女共を誑し込んでいるんだな!?

「この村の若い男共は……取り分け独身で彼女もいない男共は、どことなくオカマっぽい。女々しいというか何というか……まぁ原因は予想できるけどね(笑)」
「何ですか、その原因って?」
何やらイチャつきながら村の男について話し込んでいる。

「可能性は2つ……貴女の娘さんが村の男共に“女々しい男が好き”と言ったか……」
「そんなこと言ったの?」
「言うわけないじゃない! 生き方は人それぞれだけど、私の好みじゃないわよ!」
即答で1つめの可能性を否定する美女シスター。まあ当然だろう。

「じゃぁあの娘しか居ないだろう……他人(ひと)を困らせる
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