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リュカ伝の外伝
モテる男はツラいぜぇ
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使用した部屋は、布団も壁も薄く……何もかも最悪だった!
せめて夕食は良い物を食べようと思ったが、やはりド田舎……薄汚い酒場があるだけで、料理も酒も酷い物だった。




朝になり宿を引き払って外に出ると、昨日は夜で見えなかった教会を見ることが出来る。
こんなド田舎の教会なのに、予想以上に立派な建物で驚く。
こりゃぁ相当稼いでるとみえる。

これからの俺の収入に胸を躍らせて教会へ入ると、既にミサの準備が整っていた様で、座る席が殆ど無い。
座れる席を探してると、準備万端の聖歌隊が目に映った。
その中に一際美女が居り、楽しそうな笑顔を客席の方へ向けていた。

俺はその美女を観察しようと思い、最も近い席に座ろうと思った。
そこは丁度その美女が見詰めていた席で、一人のオッサンが座っていた。
ダサい丸眼鏡を掛けていて鼻の下に髭が生えている、見るからにショボいオッサンだ。

当然俺はその席を譲る様に声を掛ける。
「おいオッサン。今日そこは俺の席だ。退け」
オッサンは俺の台詞に一瞬キョトンとしたが、クスッと笑うと立ち上がった。

立ち上がったオッサンは俺よりも背が高く、予想よりもガッチリとした体躯だったため、一瞬だけ怯んでしまったが席を譲ったのだと理解し座ろうとする。
しかし、そんな俺の顔面を鷲掴みにすると耳元に顔を近付けドスの利いた声で囁いた。
「俺を退かしてここに座るんだったら、勿論遺書は用意してきたんだよな?」

本来であれば俺が殴ってやって解らせてやっても良かったんだが、これから執り行われるミサをブチ壊しては申し訳ないと思い、仕方が無いからその場は俺が引くことで納めてやった。
「し、失礼しました……後ろの方で見物致します……」

まぁ今日の目的は女を喜ばせてやることなので、大人な俺が大人な対応をしてやったに過ぎん。
(いず)れこのオッサンも、昨晩の村長ババアとデブジジイも痛い目を見せてやる。
俺があのネル家の者だと理解してないから仕方ない。と言うか、田舎過ぎてネル家のことも知らないのだろう。



完全に満席になってしまった為、入り口付近の壁際で他の平民共と一緒に立ち見をすることに……
暫くすると一人のシスターが出てきて、所謂“ありがたいお説教”を始めた。
興味が無かったから全然内容は頭に入ってこなかったが、彼女こそがこの教会を管理してるシスターだろう。

噂に違わず凄い美人だ。顔もそうだが、身体付きが堪らない。
先刻(さっき)見た聖歌隊の美女の母親だと思われる……
相当の年増だと思うが全然抱ける!

暫くはあのシスターの調教方法を考えていたが、ついにメインの聖歌隊の出番が訪れる。
当然だが先刻(さっき)の美女が一際目立って歌っている。
俺は音楽にも精通してるから解るが
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