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リュカ伝の外伝
モテる男はツラいぜぇ
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面倒なことになった。

俺は住んでたアトリエ(という名目のマンション)を出ることとなり、少しばかり途方に暮れている。
暫くは最後に頂いた小遣いで暮らしていけるけど、早々に次の金蔓を見つけないと路頭に迷うことになる。
とは言え流石に暫くの間は王都から離れる必要があるだろう……

今後のことを考える為、行き付けのサロンでワインを飲みながら情報収集をしていると……何でも最近、田舎の教会がリニューアルして人気を博しているとのこと。
人気の理由が隣国であるグランバニアで流行している音楽を取り入れた聖歌隊が活躍していること。

その聖歌隊の中には絶世の美女が居るらしい。
しかもその美女は高度な魔法を使えるらしく、グランバニア城で勤めている。
魔法が使えて他国とは言え城勤め……金を持っていることは疑いないだろう。

それでいて聖歌隊に入ってるという事は男と付き合ったことも無いウブな女だろう。
俺の得意範囲は若い男に飢えた年増なんだが、ウブな女は別の意味で落としやすいし、いいカモなのは間違いない。

しかも、その聖歌隊を纏める教会のシスターはウブ女の母親で、これまたいい女だと噂である。
親子丼が狙えそうだし、最悪でもどちらかは落とせるだろう。
まぁ、最近年増が多かったから若い方で行きたいが、取り敢えず年増を落としてからの……って感じで焦ることは無いだろう。

そうと決まれば何時(いつ)までもこんな所で飲んでないで、今すぐに行動へ移すべきだ。
定期的に国内を巡っている旅馬車に乗って、その田舎の村へ出稼ぎに行こう。
たしか……サンタローズって名前のド田舎だったなぁ。






(サンタローズ:教会前)

ミサが行われるという日曜日の前日……土曜の夕方に、やっとド田舎へと到着した。
本来ならボロい宿屋はお断りなのだが、流石ド田舎だけあって碌な宿屋が存在せず、仕方なく我慢することに……まぁ明日の夜は教会のベッドで女と一緒に寝起きできるのだから、少しくらいは辛抱しよう。

だが最近は日曜のミサ(で催される聖歌隊の合唱)が観光名物となっており、各地から旅行客が押し寄せてきていて、碌な部屋が確保できなかった。
俺は自分が何者なのか(家柄など)を言い、最高級の部屋を用意させようとしたのだが、困った宿主が村長を呼んで来やがった。

村長はかなりのババアであるのだが、それでも相当の美人で俺が抱いてやってもいいと思えるレベルだったが、俺がネル家の者であることを伝えても『この宿が気に入らないのなら野宿しなさい!』とか『そんなにお家を自慢したいのならパパを呼んできなさい!』等と言って取り付く島も無い感じで言い捨てられた。

殴ってやろうと思ったのだが、召使いの太ったジジイが俺を睨んでいた為、今回は許してやった。
渋々
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