モテる男はツラいぜぇ
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(ラインハット:王都城下町)
ドンSIDE
俺の名はドン。ドン・ファン・ネルだ。
ここラインハット王国では名の通った貴族の家系……ネル家の四男だ。
貴族の家系と言っても俺は末弟……子爵家という家督を継ぐことは無いだろう。
だから自分自身の才能で生計を立てていかねばならない。
長男は相当の不祥事を起こさない限り安泰だ。
次男もラインハット城で軍人をしているし問題無さそうだ。
だが三男は何も出来ない問題児だ。
頭が良いわけでも無いし、武芸達者でも無い。
容姿が良ければ問題無かったのだが、裸で豚小屋に居たら出荷される勢いなので論外である。
部屋に閉じこもって稚拙なお絵かきをしている。
俺はと言えば、長男の様に家督を継げるほど頭が良いわけでは無いのは認める。
勿論、次男の様に有事の際には英雄になれる要素も無いだろう。
でも二人の兄貴に劣ってるだけで、それほど悪くはないと思っている……三男等とは比べ物にならない。
とは言え、少し失敗をしてしまい、ネル家から距離を置かれている。
まぁ失敗と言っても、ラインハット王家主催のパーティーで王太子妃を口説いたらギャーギャー騒がれただけ。
王子と言うだけのつまらない男の下に嫁いだから、男に飢えてるだろうと思い俺の愛人にしてやるつもりだったのだが、何を勘違いしたのか『身重の人妻をナンパするなんて良い度胸ね。アンタ自分の立場を理解しなさいよ』と傲慢なことを言って大事にしやがった。
だから暫くの間だが、父上に家を出て行く様に言われた。
勘当……とまではいかないけど、クールダウン期間っていうやつかな。
でも金を稼がねばならなくなった。
だが俺は容姿に恵まれてた。
そう……俺の才能はこの容姿である!
この才能を活かし、俺は生計を立てているのだ。
自分でも解っている事だが、俺に絵の才能は無い。
だがパフォーマンスとして画家志望の青年を演じている。
その方が、ただただ俺に金を出してるのでは無く、パトロンが俺の画家としての才能に金を出してるって体裁を取れるからだ。
勿論殆どの女がその事は解ってて金を出しているのだが、世の中は世間体というモノがあるから、それを取り繕わなければならない。
面倒ではあるが仕方ない。
だが、その面倒の所為で問題が発生した。
俺の金蔓であったマダムが、俺への援助を打ち切ることにした。
理由は旦那に勘付かれたらしい。
全く芽の出ない画家に、何時までも金を出してることに不信感を抱いた……と、言うことだ。
元々、年の割にはそこそこいい女ってだけで付き合ってやっていた年増女だったし、家柄も爵位無しでド田舎の地方貴族であったが現当主の商才で成り上がった家系だったし、惜しくは無いが本当に
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