暁 〜小説投稿サイト〜
リュカ伝の外伝
第二節:「みんなで一緒にアルペジオ」
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いてくれ。聞かれた方も無理矢理答えなくて良い。知ったかぶりは皆に迷惑だ。相手も専行している楽器の事じゃないのだから、そんなには急いでないだろう。一旦は僕に聞いて、それを君等の中で正しく理解して、そしてそれを相手に教えてあげてくれ。教わった方も遠慮はするなよ。相手の教え方では理解出来ないのであれば何度でも聞いて理解出来るまで終わらせるな。教え方も人それぞれあるし、理解力も人せれぞれ違う。試行錯誤することが、上達への近道だから」

流石リュカ先生だ。
色々と考えているんだなぁ。
俺も心して学ばないと!

「それと卒業試験に付いてだけど……」
卒業試験!?
そ、そうか……これも正式な授業の一環だし、最終的には試験があるんだな。

「君等には二種類の試験を受けてもらう」
二種類?
筆記と実技か?

「当然だが一つは君等自身の専行した楽器の実力だ。この試験の如何では何も芸高校(ここ)の講師じゃなくても、直ぐさまプロの音楽家として活動できる」
つまり俺ならプロのギタリストって事か。

「もう一つは、君等と相方の楽器を交換して実力を測る」
え!?
それってベースの勉強をしてきたケティーさんに、ギターの実力を示させるって事!?

「何度でも言うが、君等に求めるのは教える力だ。君等にとって最初の生徒が相方になるわけだし、その相方の理解度が君等の講師としての実力となる」
確かに言わんとしてることは理解出来るけど、実践形式過ぎると言うか何と言うか……

「一つ目の試験……今後は“正規技能試験”と呼ぶが、そちらは僕だけが判断・評価をさせてもらう。もう一つ……こっちは“講師能力試験”と呼ぶことにするけど、そちらには僕以外の者にも評価を下してもらう。まぁ誰を呼ぶかはまだ決めてないけど、君等の授業内容は一切見せず、最終的な結果だけを見てもらって判断してもらう。僕の……王様としての権限で、一流のプロからズブの素人まで、幅広い試験官を用意する予定だ」
これはプレッシャーだぞ!

「でも安心して欲しいのは、君等は既に芸高校(ここ)の卒業資格単位を取得してるので、この授業の単位を落としても卒業は出来るって事だ。尤も……卒業までの短期間で不祥事を起こせば笑顔で退学にするけどね(笑)」
笑えない。

「正規技能試験に関しては相当下手じゃない限り、落第することはないだろう。多少演奏をミスっても、その後に笑顔でカバーするとか、テクニックでカバーするとか……最悪、4〜5回のリテイクも視野に入れている。まぁ僕的にはやり直しは何度もOKなんだけど、試験で100回も200回もやり直されるのは困るから、一応4〜5回まで。同じ所を何度もミスられたら、それはもう実力不足って事で落第ね」
リテイクOKってだけで寛大だと思う。

「でも講師技能試験は一
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ