第一節:「ぼくらのオープンコード」
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
(グランバニア:芸術高等学校・音楽部特別教室)
ヨクスSIDE
約40倍もの倍率の中、運良く選ばれた新楽器の受講。
その授業の第一回目。
俺はウキウキとした気持ちで指定されてる教室へと廊下を進む。
遠くから少し激し目の演奏が聞こえてくるのを感じていたが、その音源が今から向かっている教室からである事は、近付いてから気付いた。
授業開始時間にはまだ15分くらいあるから、俺みたいに待ちきれない生徒が既に到着していて、勝手に弾いているんだと思ってた……
だけど教室に入ってビックリ。
生徒は俺が一番乗りだったけど、既に講師の先生が到着していて、何やら格好いい曲を弾いていたのだ。
俺は演奏の邪魔をしてはいけないと思い、声を出さずに深く頭を下げて挨拶をする。
だが講師の先生は俺に気付き演奏を辞めて挨拶をしてくれた。
「やぁ、早いね。まだ時間はあるのに、やる気を感じるね。さぁ、好きな席に座ってよ」
そう爽やかに、そして格好良く俺に話しかけ着席を促してくれた。
恐れ多い……
だって、聞いてはいたけど本当に講師の先生は国王陛下なんだもの!
恐縮の極みだ。俺の事など気にしないで、演奏を続けて欲しかった……曲も格好良かったが、演奏しているお姿も格好良かったから。
とは言え、そんな事を言えるはずも無く俺は一番手近な席へと腰を下ろした。
そして一際気になったのは陛下が弾いておられた新楽器……MGだ。
先日の新楽器発表演奏で使用していたのと同じ、濃い青を基調にドラゴンが描かれてる格好いいMG!
直ぐ隣に立て掛けてあるのも先日女性が使用していたMBだ。
白を基調に赤でキラーパンサーが描かれている。
両方とも授業で陛下が使用するのだろう。
メチャクチャ格好いい!
後続の生徒が俺と同じように教室へ入ってきて、陛下の存在に慌てて挨拶をしてるけど、俺はあの格好いいMGから目が離せない。
教室の端には俺等が使用する用のMGとMBらしき物が立て掛けてある。
それぞれに黒い布製のケースが装着されてるから中身までは解らないけど、きっと陛下が使用してる物ほど格好良くは無いだろうなぁ……
この特別授業を受ける者は王家から新楽器を無料で提供してもらえると事前には聞いていたから、十分嬉しいんだけども……あの格好良さはズルいなぁ。
俺の視線に気付いた陛下が入ってくる生徒らに挨拶をしつつ、「格好いいでしょ、このギター」と掲げ見せてくれた。
当然だが俺は素直に「凄ー格好いいッス!」と言うよ。
だって本当の事だし。
「皆に渡す楽器は各人見分けが付く様に色分けしてあるけど絵は描いて無いんだ。こ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ