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リュカ伝の外伝
アーティストとエンジニア:五限目『国家として』
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相で宰相閣下を睨んでいたが、リューナが恭しく挨拶をしたので視線を彼女に向ける。
当の宰相閣下は気にもしてない様子だ。

「リューナ嬢よ……私と其方は『お初』ではないぞ。数年前だが私は“プサン”という人間の姿で、其方の父上と共に会っておる。忘れたのかな?」
「いえ。勿論憶えておりますが、本日私が馳せ参じるに居たる立場は、“グランバニア王国に雇われたエンジニア”でありまして、その立場としては『お初』になります。もし気分を害されたのでしたら深くお詫び致します」

「いや、そういう事であれば了解した。特段気を害しては居らぬ故、謝罪は不要である。しかし若さと血筋に似合わぬ奥ゆかしさ……そのままの淑女に育ってもらいたいな」
言外に陛下と宰相閣下へのディスりを感じる。

お父上に対して大変敬意を持っている娘に些か拙い言い様だと思い、横目で顔色を覗う。
だが特段気にする素振りも無く視線をマスタードラゴン様に固定している。
怒ってないのか……それとも激オコなのか……解らないから凄く怖い。

「ではアリアハン王。私めから折り入ってお願いがございます」
「ほうほう、何かなリューナ嬢」
ところで……俺って居る意味ある?





「……と言うワケで、情報を発信・電波・受信する為の技術提供をお願い致します。勿論そのまま天空人の技術を使用するわけにも参りませんので、私が扱い易く致しますので……早急なる手配をお願い致します」
自分達で使い易いように技術を改造するから、手っ取り早く教えろ……と言う事らしい。

「か、簡単に“技術提供”と言われてもなぁ……そう簡単に高等な技術を教えるわけにはいかぬ。気を悪くされては困るが、お前等人間が悪用しないとも言い切れない。何とか自らの力で開発をしてもらいたいのだが?」
楽すんなって言われてますね。

「アリアハン王。我々も本来であればそのつもりだったが、貴殿には我が国に対して借りがあったでありましょう。ソレを返す機会を設けたのですよ。解りますか?」
予定通りなのか、断られる事を想定した対応をする宰相閣下。

「“借り”? そんなモノは無いが……何を言っているのだね宰相殿!」
「借りが無い? 何を馬鹿な。貴殿はアリアハン王に即位する以前に、我が国の重要な人物の命を見捨てたではないですか! 謝って許される問題では無いですぞ!」

「リュ、リュカ王の事を言っているのであr「リュケイロム陛下の事ではございません!」
言い訳(?)をしようとするマスタードラゴン様に食い気味で釘を刺す宰相閣下。
まるで水を得た魚だ……生き生きしている。

技術提供に関する説明が終わったリューナは、既に発言権を宰相閣下に渡した様子。
普段なら宰相閣下が出しゃばる事に苛立ちを見せているが、今に限っては気に
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