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リュカ伝の外伝
アーティストとエンジニア:四限目『起業秘密』
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社長(候補)の名前は?」
「はい。彼は“ヨシーリ・マーモット”と言います」
「ふむ……男の名前だから忘れそうだ」
じゃぁ何で今聞いたんですか?

「名前と言えば……新たに立ち上げる会社の名前は如何にしますか陛下?」
「いや、社長が決めてくれて構わないんだけども?」
「いえ、半民半官と言う事で半分は国営企業ですから、王様の意向は絶対ですわ」
「うわっ、面倒くせ!」

「当分は赤字運営が決まっているとは言え、世界に轟く大企業になる(予定)のですから、社名は重要ですわよ。形ばかりの社長に決められる事ではございません。何卒陛下が決めて下さいませ」
「何か口八丁で面倒事を押し付けられた気がするけど……まぁ良い」
本気で面倒臭そうな表情をしてたが、流石の陛下も思案に入る。

そして数分後……

「うん。決めた!」
考えが纏まったらしく、手近にあったA4用紙にサラサラと何かを書き出す。
勿論、新企業の社名だろうけど。

「じゃん! 新企業名は“PONY”だ」
「“ポニー”ですか? 何故に馬なんですか?」
俺もリューナもグリーバー伍長も不思議そうに社名の描かれた紙を覗き込む。
だが陛下は、その紙に新たに何かを書き足した。

「これがPONY(ポニー)の社章」
と言って描かれたのは、先日開発したMP(ミュージックプレイヤー)の前で白馬が小首を傾げて音楽を聴いている絵だ。上手いとは言い難いが、特徴は捉えられている。

「おいラッセン。お前はこの絵を仕上げろ。見ての通りMP(ミュージックプレイヤー)と白馬の絵だ。白馬はウチのパトリシアをモデルにしてくれ。(すげ)ー美馬だし良い()だからね」
何か突如仕事が舞い込んできた。

「マリーがこれ知ったら何てツッコむかな? 『ソニーじゃん!』かな? 『これビクター犬じゃん(笑)』かな?」
自ら描(書)いた社名と社章を見ながら、何やら独り言を呟く陛下。
マリーとはマリピエ(マリー&ピエッサ)のマリーさんだろうか?

まぁいい……
そんな事より俺の彼女(フィアンセ)が社長になるんだ。
気合い入れて社章を描かねば!

ラッセルSIDE END





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