アーティストとエンジニア:四限目『起業秘密』
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
つつある」
困った状況?
「取り敢えず国力を増大させる事に注力した結果、とある企業に頼りすぎた。勿論サラボナだ……言うまでもないよね」
確かに世の中にサラボナ商会は溢れている。
「このままだとサラボナにグランバニアの屋台骨を握られかねない。国家を大きくし無茶を言ってくる商人(サラボナ商会系)に武力で威圧を掛けても、その武力たる軍部が補給の殆どをサラボナ系列に頼っていたら、国としてサラボナに意見も言えなくなる。とても良い事とは言い難いよね。だから早急に内需を活性化させたい。その初期段階がリューナに任せる民間企業って事だ」
「初期段階って事は、これから色々と別の手法も取り入れられてくと……?」
「当然だ! だからリューナの会社には儲けを上げさせる気はない。赤字で商品を世の中に出回らせる。既に作ってある音響装置やMP等……便利な物・生活に潤いが出る物を人々の生活に行き渡らせ、そこから皆の購買意欲を促進して内需を活性化させる。だからリューナは新製品の開発に注力してくれれば良い。とは言え赤字当然の会社とは言え、それなりに経営を学んできている者を副社長に据えたいなぁ。会社を乗っ取ろうとする野心が皆無な人物だと大助かりだね」
「陛下には、そんな都合の良い人物に心当たりはあるのですか?」
「ラッセン〜……そんな都合の良い人物に心当たりがあれば、もうプロジェクトは進んでいたんだよ。寧ろお前等の学生ネットワークで、そんな人物をピックアップしてくれよぅ」
「お、俺等しがない学生に、そんなネットワークがあるわけ無いじゃないですかぁ!」
「何言ってんだい。お前は既に宮廷画家として進路が確定してるから問題無いだろうけど、学友の殆どは卒業後の就職先に頭を悩ませているだろ? そんな連中の話題の中に、経営高校出身で起業した奴の話でもない? もしくはこれから起業しようとしてる奴とか?」
「無いですねぇ〜……俺の周りは皆“芸術バカ”ですから。働き口が見つからなくても、最悪“路上で似顔絵を描く”事で日銭を稼ごうと考えてますからね」
将来の事をちゃんと考えてる奴なんて少数だ。
「馬鹿ばっかりじゃねーか! はぁ〜……と、まぁこんな感じで今のグランバニアは働き口が少なくなりつつある。発展途中ではあるから肉体労働は、まだまだ需要が多いんだが……専門的に学んだ者達への受け皿が成長しきってない。問題が表面化する前に手を打たなきゃならない懸案だよね」
「そういう理由も相俟って私に起業させたいとお考えなのですね?」
「希望理由の三割程度だけどね。残り三割はサラボナの台頭を抑えたい事……更に三割は世の中に出回る便利な発明品の管理をしておきたい事」
「……一割足りませんけども?」
俺でも解る算
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ