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インフィニット・ストラトス〜黒き守護者〜
篠ノ之束という人物
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篠ノ之束』って人はどういう人間なんだ?」

 夕食。寮の食堂で飯を食べ終わってから俺は自室に向いながら『篠ノ之束』という人物の特徴を聞き出していた。ちなみにだが、一夏の手には勉強道具が握られている。

「ん? 何で聞くんだ?」
「いや。特に他意はないが、篠ノ之自身は嫌っているんだろう? 姉妹仲は悪いのか?」
「たぶん一方的に箒が嫌っているんだと思う。まぁ、理由が理由だから仕方がないと思うんだが……」
「ん? どういうことだ?」
「ああ。それは―――」

 ―――コンコン

 一夏が言葉を続けようとしたところでドアをノックされた。

『風宮。織斑だ。話がある』

 織斑先生のご登場か……。
 俺はドアを開けると、そこにはジャージ姿をした織斑先生がいた。

「何だ、お前もいたのか。だが悪いな一夏。私はこいつとは個人的に話がある。勉強は自分でしろ」
「ああ。わかった」

 すぐに勉強道具を片付けて部屋から出る一夏。だが俺にとってはおかしいと思った。公私混同をしない女が、まだ勤務時間中であるはずなのに家族の名前を読んだことに違和感を感じていた。

「……何の用ですか、“千冬さん”」
「そう警戒するな。なに、ちょっと忠告をと思ってな……」

 ? 俺、そんな忠告されるようなことはしたか?

「お前、束のことを嗅ぎ回っているようだな。何が目的で嗅ぎ回っているか知らんがそれは止めておけ。身を滅ぼすことになるぞ」

 ああ。そのことか……。

「今は引けませんね。俺なりに彼女の一面が気になるというのがあるかもしれませんが」
「それは自分の首を締めることになってもか?」
「ええ。たぶん今の俺にはその人に興味があるんでしょうね」

 俺が思ったことを口にすると、彼女はそれを訝しんだらしい。

「何を考えている?」
「本当ならあまり言う気はないんですが、一応二人の安全の確保ですかね。あ、別に俺は護衛としてここに来ているわけではありませんよ」
「では何故あの二人に加担する? 別に二人はお前の知り合いでもなんでもないだろう? それにお前は―――メリット次第で動く男だろう」

 千冬さんの言葉は最もだ。確かに俺はメリット次第で動く。―――だが、

「俺自身が、何も知らないって訳じゃないからですかね。知っている人間が知らない人間にどんな形であれ導ける人間になったほうがいいでしょう。それに―――篠ノ之束という名前にどこか引っかかりがあるんですよね。記憶を失っている俺にとって敵か味方がわからない。もし敵だったときを考えてどんな人間かを把握しておきたいというのが本音です」
「……なるほどな」

 何かなっとくしたらしく、それから話してくれた。
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