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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
延長戦
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たこと、一夏さんに説得されて卒業まで学園にいることを決めたこと。
 そこまで私と箒さんは黙って聞いていました。その間シャルロットさんは何か自分のことではないかのように語っていました。
 喋り終えたのかシャルロットさんはほとんど冷めた紅茶を一口含む。と同時に固まっていた表情が元に戻りました。

「うん、僕の話はこんなものかな」

「……何かわけがあるとは思っていたがそれ程の内容だったとはな……」

「何かごめんね。騙してて」

「いや、それこそ理由があったからなのだろう?」

「そうだけど……結局は断りきれなかった僕のせいだから」

「むう……そこまで気にするな。私もカルラも気にしていない」

「はい」

「そう、そう言ってくれると楽になるよ。ありがとう」

 箒さんの言葉にシャルロットさんは俯いて返事をします。デュノア社についての苦境は公然の秘密というやつでしたし、そこまで驚くことではなかったのですが……これではシャルロットさんは3年後にフランスに帰るわけにもいきませんね。
 命令違反にそもそもデュノア社がそういう内容でシャルロットさんを送り込んでいます。それがばれたとすれば非難を浴びるのは必然です。となればシャルロットさんの存在を隠すしかない。良くて牢獄、悪ければ……命令違反を押し立てての銃殺、何ていうのもあり得ます。

「で、どうするんですか?」

「え?」

 居ても立ってもいられず私はシャルロットさんに尋ねていました。
 私の問いにシャルロットさんが顔を上げて答える。

「う、うん。一夏も言ってたけど3年間あるし……ゆっくり考えてみようと思う」

「そうか」

「嬉しかったなあ……僕、ここにいていい、なんて言われたの初めてだったから。エヘヘ」

 そう言うシャルロットさんの顔にはいつもより感慨深い笑顔と薄っすらと涙が伝っていました。

「む、そうか……」

 箒さんがどこか複雑なような表情をして黙り込んでしまいます。シャルロットさんが一夏さんを好きになった理由がこれでは責めるに責めれませんし心境的には複雑なところでしょう。
 そう考えると普通の家庭の私の現状は幸せなんでしょうね。今まで無自覚でしたけど途端にそう思ってしまいます。

「じゃあ、いっそのこと亡命しちゃいます?」

「「は?」」

 そう言った私に二人が理解不能といった感じの顔を向けてきました。
 まあ……いきなり国を裏切れなんて言ってるんですから分かりますけどね。

「赤道連合の体系は知ってますよね?」

「う、うん。複数の国で連合を組んで一つのISを作るっていう……」

「その過程でほとんどの国は優秀な人材なら国籍を差別せずに企業、国に所属できます。まあ亡命ともなるとその分チェッ
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