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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
延長戦
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 箒さんがそうラウラさんに聞きました。そう言えばいませんね。

「さあな、どうせ嫁のところにでも行っているのではないか?」

「ラウラさんはいいんですか? 行かなくても」

「何を言っている。既にあいつは私の嫁だ。ならば放っておいてもどうということはないだろう」

 おおおお……箒さんの顔色がものすごいことに……シャルロットさんが苦笑いしていますし……なんなんでしょうね。
 というよりそもそもが一夏さんのせいなのでどうこう言えませんけど。

「とりあえず立ち話もなんですし、私たちの部屋に行きます? あ、シャルロットさん。ラウラさんには……」

「ああ、うん。ラウラは全部知ってるみたい」

「へ?」

 そう言えばシャルロットさんが女性だと判ってから一夏さんとは別の部屋になったんですよね。確かラウラさんと同室だと聞きました。
 ということはもう男性として来た理由は話してある? ……いえ、今の言い方だとラウラさんが自力で気づいていたと……

「我が軍の諜報能力を甘く見てもらっては困るな」

「……そうでしたね」

 忘れていたわけではありませんがラウラさんはこう見えても生粋の軍人で、しかも部隊長だそうで。となればドイツ軍の諜報能力を持ってすればそれくらい調べるのにわけはないということですか。

「ま、そういう訳だから私は今回は遠慮する。知っていることをわざわざ聞くのは時間の無駄だからな」

「そ、そうですか」

「あ、あはは……」

「…………」

 そういうラウラさんの顔にはシャルロットさん当人の目の前だからとかいうのはありません。淡々と事実だけを述べていく様はやはりこの人が軍属だということを思い出させてくれます。

「ちょっと一夏!」

「お待ちになってくださいませ!」

「絶対嫌だー! お前ら二人と模擬戦なんてどんなイジメだ!」

 その時聞き慣れた声が聞こえました。その声にラウラさんの無表情だった顔が反応します。

「嫁のピンチのようだ。では私はいく」

「は、はあ。気をつけて」

 それだけ言うとラウラさんは声の聞こえたほうに猛スピードで走っていきました。

「とりあえず……部屋に行きましょうか」

「うん」

「ああ」


―――――――――――――――――――――――――――


 部屋に戻ってお茶を入れて、一息ついてからシャルロットさんの話を聞きました。

 自分がデュノア社社長の愛人の子供であること、母親が亡くなって引き取られたその先で偶然高いIS適正があると分かったこと、デュノア社の苦境のこと、そして自分がIS学園に男性として送られた目的……広告塔と『白式』のデータを盗んで来いと命令されたこと、女だということがばれ
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