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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
延長戦
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り分からないといった方が正確だ。戦いが嫌いなくせに何故か銃器が好きなところなんて特にな」

 ぐえ、箒さんの言葉が胸に刺さります。もうそのことは勘弁してくださいよ。

「へえ、そうなの?」

「え、ええ。部屋にいくつかあるので後で見に来ますか?」

「ほう、それはいいな。今度私も見せてもらおう」

「ええ、どう……ぞ?」

 あれ? 今ここにいるはずのない人の声が……

「む、何を揃って顔をきょろきょろしている」

「「「わあ!」」」

 ら、ラウラさん!? いつからここに!?

「む、いつから、という顔をしているな。来たのは今だ。カルラが銃好きというところからだな」

「そ、そうですか……いえ、それ以前にいつ戻ってきたんですか?」

「今日の午前中には日本についていたんだが入国手続きに時間がかかってな。学園に戻ってくるのがこんな時間になってしまった」

 登場の仕方が心臓に悪いです。いえ、別にラウラさんが悪いというわけではないのですが……

 帰国の過程でラウラさんの出生が本国からの連絡で明らかにされました。
 ラウラさんは遺伝子強化試験体(アドヴァンスド)として生み出された試験管ベイビーであり、戦うためだけに作られた存在だということ。さらにはラウラさんがしている左目の眼帯は『越界の瞳(ヴォーダン・オージェ)』と呼ばれているらしく、肉眼へのナノマシンを直接移植処理することで、脳への視覚信号伝達の爆発的速度向上と、超高速戦闘状況下における動体反射の強化を可能としているらしいです。
 その為、ほぼ人体実験とも呼べるこの二つの非人道的内容と、ISへのVTシステムの搭載と言う条約違反に対し各国からドイツには激しい非難が集中。
 一時的には米国のようなIS大国や私の所属する赤道連合、中国やロシアのような様々な大国からドイツのISを剥奪するべきだと言う声も上がったようですが、ヨーロッパ統合防衛計画『イグニッションプラン』を推し進めるEU首脳陣はこれ以降ドイツを監視、指導するということで擁護。更にはVTシステムの搭載とラウラさんを生み出した施設が先日、詳細不明の事故により文字通り地上から消えていたため各国は証拠不足によりそれ以上追及することが出来ず、何とか決着がつきました。


閑話休題―

 ちなみにラウラさんには名前で呼べと言われました。本人曰く

『嫁の友達なら私の友だ。名前で呼び合っているなら貴様もそうしろ。私も今日からカルラと呼ぶ』

 だそうで。ラウラさんらしいというかなんというか……
 でもラウラさんが前より話しやすくなったのはきっと一夏さんのお陰なんでしょうね。一夏さんには感謝しないと。

「うん? 鈴とセシリアはどうした? お前がいるならあの二人もいそうなものだが」

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