お誕生日おめでとう
[1/7]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
不自然な突風にあおられ、桜の花びらが次々に大空へ舞い上がっていく。
祭祀礼装には、飛行能力が備わっている。可奈美はドラゴンとともに、空中へ駆けあがり、激突する。
お互いに反発し、空中で停止する可奈美とドラゴン。
「行くよ……ハルトさん!」
可奈美は、千鳥を突き出す。
ドラゴンは一度大きく吠え、全身から赤い炎が噴き出していく。
それは、大きな翼での動きで、可奈美へ接近していく。
そのまま、爪を立てるドラゴンの突撃を受け流し、可奈美はさらにその胸元へ千鳥を滑らせる。
だが。
「そう来ると思ったよ!」
ドラゴンは、自らの体への反撃を、尾で防ぐ。可奈美の腕を掴み、大きく持ち上げ、力強く突き落とす。
「くっ!」
可奈美は空中で体勢を立て直し、木々の合間を滑空していく。
「迅位斬!」
可奈美は振り向き、飛行を続けながら赤い斬撃を放つ。
祭祀礼装の補助で遠距離攻撃となった斬撃が、ドラゴンへ少しずつダメージを蓄積していく。
「グッ……だったら!」
ドラゴンは一度翼を折りたたむ。そして、大きく広げた。
すると、周囲から赤い波が放たれる。すると、可奈美の赤い斬撃が掻き消され、そのまま可奈美を地上へ突き落とした。
「うっ!」
可奈美は両腕で身を守るが、そのまま木々を薙ぎ倒し、地面に埋め込まれた。
「うう……ん?」
木に埋まっていた体を突き起こした可奈美は、頭上の青空が赤く染まっていることに気付いた。
「はあああ……っ!」
ドラゴンの背中の突起が、赤く発光している。
その口に広がる赤い炎は、まるで太陽のような力強さを感じる。
「だああああああああああああああああああっ!」
頭上のドラゴンの口から、赤い熱線が放たれた。
可奈美はギリギリで足を塞ぐ幹を斬り落とし、回避。間一髪で、可奈美が埋め込まれていた木々は蒸発した。
だが、ドラゴンはすぐに熱線を準備。可奈美を追いかけるように熱線を投げてきた。
別次元の素早さで可奈美は避け続けるが、赤い眼の彼は、それでも素早さを感知できるのか、明らかに自分がいた場所に狙いを付けている。
ようやく撒いた、と木陰に隠れた可奈美は、静かに目を瞑った。
___心眼___
すると、可奈美の視界がゼロとなる。
代わりに、可奈美の五感は大きく球形に広がっていった。
視界ではない、感覚からの情報取得。
視界に頼るしかないドラゴンには察知できない、一方的な知覚。
だが、心眼が察知したのは、今まさに死角にいる可奈美へ放射熱線を放とうとしているドラゴンの姿だった。
「気付かれてる!」
可奈美は迅位の加速で、その場から退避。
同時に、隠
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ