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インフィニット・ストラトス〜黒き守護者〜
クラス代表選出で………
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なんていい恥さらしですわ! わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」

 誰も一言も言ってないだろう。ただクラスメイトは一夏に期待して票を入れただけだろうに。

「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを、物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります! わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!」

 そんなこと、代表候補生がどんな立場か知っている人間ならわかっていることだ。あとイギリスも島国だ。

「いいですか!? クラス代表は実力トップがなるべき、そしてそれはわたくしですわ!」

 誰もお前の実力なんて知らないし、興味もない。言うだけ損だ。それに俺からしたら『弱い犬ほどよく吠える』ということわざに当てはまっている気しかしない。

「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で―――」
「―――イギリスだって大してお国自慢ないだろ。世界一まずい料理で何年覇者だよ」

 とうとうキレたのか、一夏はそんなことを言った。

(お菓子は美味かったぞ……)

 そう思うのは俺だけだろうか。
 それにしても、この話はどっちもどっちだろうな。お互いが侮蔑し合っているだけのただの醜い言い争いだ。

「あなたねえ! わたくしの祖国を侮辱しますの!?」
「先にしてきたのはそっちだろうが! いい加減に自分の非を認めろよ! 結局さっきのことも祐人に謝ってないじゃないか!!」

 ……別に気にしなくてもいいのに。
 俺は諦めて静観しようとすると、

「決闘ですわ!!」
「おう、いいぜ! 四の五の言うよりわかりやすい!」

 一夏、お前は簡単に挑発に乗りすぎだ。あとお前、どこの主人公だよ。
 これ以上くだらないことに巻き込まれる気はないと思い、机の中にある荷物を出すと、

「お待ちなさい。あなた、どこに行くつもりですの? まさか、このまま逃げれるとお思いで? あなたもこの決闘を受けてもらいますわよ」
「やりたきゃ二人でやってろ。俺はパスだ」

 そう言って俺は読書を始める。

「あら、意外に呆気ないんですわね。あなたには意地やプライドなんてものはないんですの?」
「ねぇよ」

 そんなものを持っていざというときに死んだら元も子もない。そんなことを二年間も送ってきたんだ。

「これだから男というものは………」

 そういう声が聞こえた時でさえ、俺は冷静でいた。

「風宮。本当に出る気はないのか?」

 織斑先生が確認のために質問してくる。

「ええ。こんなくだらない決闘のために、ましてや自分が言ったこと
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