タブー
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ら確認のしようがないな」
「何に気付いたんだよ」
「それはまだ言えん。もし違ったら逆にやられかねないからな」
ほぼ確定的ではあってもそこはリオンさん。石橋を叩いて渡るといったところなのだろうか、やけに慎重だ。まぁ、あれだけの力を見せられたら万が一にでも間違った情報は渡せない。それを頼ってもし誤っていれば取り返しのつかない事態にもなりかねないからだ。
「ただ・・・これだけは確実に言える」
真剣な表情でそう言ったリオンさん。ただ、次に続けられた言葉に俺たちはますます困惑した。
「あいつらはタブーを犯している」
何のことを言っているかわからず説明を求めようとした俺たちだったが、リオンさんとサクラのことを探しに来たオババ様が乱入して二人を連れ帰ってしまったため詳細を聞くことはできなかった。あとに残された俺たちは顔を見合わせ、首をかしげる。
「なんだよ、タブーって」
「大鴉の尻尾みたいなことをしてるってことか?」
外部から魔法での援助、幻覚魔法を使って多人数での一斉攻撃・・・以前の大会でルールを犯し続けてきたギルドのことが脳裏を過る。だけど・・・
「それは絶対にないです」
俺はそれを真っ向から否定した。あの人がそんなことをするとは思えないし、それをする必要もない。それだけの力が彼にあることはわかっていたからだ。
「だがリオンがウソをつくとは思えん」
「他に何があるって言うんだよ」
リオンさんの言葉には力があった。ただでさえ真剣で生真面目な彼がウソをついて惑わしてくるとは思えない。
「まさか・・・な」
そんな中エルザさんは何か思い付いたようだったが、彼女も確信には至らなかったのか誤魔化すだけで何も教えてはくれなかった。その後、また酔いが回ってきたみんなが大盛り上がりの中、俺とウェンディは明日のことも考えて先にホテルへと戻るのだった。
第三者side
「ハァ・・・ハァ・・・」
その頃狩猟豹の頭の面々が泊まっている宿の一室には四人の男たちが集まっていた。
「大丈夫か?」
「問題ない。それより、明日は予定通りなんだろうな?」
全身から吹き出す汗を拭いながら大柄の男が赤髪の青年へと問いかける。それを受けた彼は小さく笑みを浮かべ、頷いてみせた。
「あぁ。予定通り明日の競技パートはお前に任せる。しっかりその力を示せよ」
「うむ」
明らかに万全には見えない様子の男だったが、それを気にする素振りを誰も見せない。それどころか、話題は別のところへと進んでいた。
「エリゴ・・・じゃなかった、シルフェは大丈夫か?」
赤髪の青年の隣で壁にもたれ掛かって
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