"Nobody's perfect"
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胸から発生する炎は、やがてドラゴンとスカルの間に集まっていく。
冷たい炎は、髑髏の形となり、吠える。発生した衝撃が、ドラゴンを大きく後退させた。
「ぐっ……」
折れた爪。
両腕で防御したドラゴンは、スカルを睨み上げた。
「さあ、正念場だ」
「スカル……」
「そろそろ終わりにしよう……お前の他にも、まだあの世から見守らなければならない奴がいるからな」
スカルはメモリを引き抜き、そのスイッチを押した。
『スカル』
そのままメモリを、ベルトの腰に付いているスロットに差し込む。
収納ケースかと思ったが、そこにも同じようにスイッチが設置されており、それを押すと、メモリからガイダンスボイスが流れた。
『スカル マキシマムドライブ』
「さあ、来い!」
「……うん!」
ドラゴンは頷いた。
スカルの前の髑髏は、そのまま空中に浮かび上がっていく。
それを見上げながら、ドラゴンは両腕を交差させる。同時に、背中の突起が、この上なく赤く発光した。
背中の赤は、徐々にその濃度を上げていく。赤はやがて色合いを強めていき、やがて白くなっていく。
一方スカルは、髑髏とともに飛び上がる。紫の髑髏を、ドラゴンに向けて蹴り飛ばした。
髑髏がだんだんと巨大化しながら、ドラゴンへ迫っていく。
やがて、目と鼻の先になったとき、ドラゴンは口を最大限までに開いた。
そして、発射される青白い光線。
それは、紫の骸骨をドラゴンの寸前で食い止めた。
「うっ……ぐ……っ……おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
ドラゴンは声を荒げる。
地面を支える足が、強く埋め込まれる。全身により力を込めることで、より光線が太くなっていく。
そして。
「そうだ。それでいい」
激しい破壊音の中、スカルのそんな声が聞こえた。
白い光線が、紫の髑髏を押し返していく。
決して力を緩めることはない髑髏。だが、だんだんと上回っていく白い光線は、スカルの傍で髑髏を掻き消した。
そうしてスカルの姿は、白い光線に飲み込まれる。
その黒い姿が、白一色に染まり、爆発の中に消えていった。
ドサッと、重い音が鳴り響く。
爆炎の中から、スカルが落下したのだ。
仰向けになったスカルへ、ドラゴンは駆け寄った。
「スカル!」
走りながら、ドラゴンはその姿をハルトに戻していく。
あちらこちら体が痛むが、それでもハルトはスカルへ手を伸ばす。だがスカルは、その手を制した。
「行け」
「でも……」
起き上がるスカル。
だが、彼の姿はとても無事とは言い切れない。
バチバチと胸のアーマーからは火花が散り、その骸骨の顔にもひびが入って
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