暁 ~小説投稿サイト~
エターナルトラベラー
第七十四話
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なるほど。これはまた厄介な状況ですなぁ…」

「そうかしら?あなた達(正史編纂委員会)にはそこまで都合の悪い状態では無いわよ。アテナはどうやら日本での悪さはしないと言っていたし。日本のことわざにもあるでしょ?触らぬ神に祟りなし。放っておくのが最善ね。藪をつついて蛇を出す必要はないわ…あら、わたしうまい事を言ったわね」

アテナがメドューサゆえに。

「そうですなぁ、上にはその線で進言しておきましょう」

「それが賢明ね」

こう言った政治的な話し合いになると護堂と祐理は蚊帳の外だ。

質問されても何か建設的な話が出来るわけでは無いので護堂も黙っているのだが。

「だけど、坂上紫には後でもう一度コンタクトを取って個人的に戦ってみたいわ」

「どうしてお前はそう話を物騒な方向へと持っていくんだよっ!」

「あら護堂。それは仕方が無いわ。運でもなく、まぐれでもなく神を実力で殺した人間なのよ?どれ程のものか計っておきたいじゃない。本当は護堂に戦ってもらいたいのだけれど」

「俺を争いごとに巻き込むな」

護堂が憤る。

「あら、ならばやっぱり仕方ないわね」

「いいですな。決闘の場所は私どもが提供しましょう」

「そう?それじゃお言葉に甘えるわ。広くて人の居ない平地がいいわね」

「善処しましょう」

甘粕もただ善意で言っているわけではない。

彼にしても神を殺せる人物を推し計りたいとは思っているのだ。

自身が危険を犯さずに結果が手に入るならそれくらいの配慮は安いものだろう。




エリカ・ブランデッリは意外とせっかちなのかも知れない。

次の日に学校で一年六組に顔を出したエリカはユカリを呼び出すと用件を伝える。

「今日の放課後、少し付き合ってくれないかしら」

「それはアテナに用があるって言う事?」

「いいえ。わたしは貴方に用があるのよ。神すら殺した貴方にね」

直球であった。

「用って?」

「今日の放課後空いてるかしら。いいえ、例え空いてなくてもきっと空くわね」

エリカは用があったら手を回してでもと言っているのだろう。

「神をも殺しめた貴方に興味があるの。放課後是非ともお手合わせしたいわ」

放課後、ユカリがどうしようかと思っていると、どうやら隣の組の方が少しだけ早く終わったらしい。

出口にはエリカと彼女につれられる形の護堂が待ち構え、後ろには接点の感じられない万里谷祐理がユカリを挟むように立っていた。

「ご一緒願えるわよね」

「…夕飯まで帰してくれるならね」

エリカにつれられ、ユカリにしてみれば結構好みの年上の男性…甘粕が運転する車で人気無いところまでやってくると車を止めた。

「人払いは済んで
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