第七十四話
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る願い事をかような内容にする娘など魔術師の中にはおるまいよ。そう言った点ではなかなかに面白き人間よな」
と、アテナは答えてからその身から放たれるプレッシャーを上げた。
「さて、おぬしは今一つと言いながら二つも質問したな。ユカリの家の前ゆえ手荒な真似はせぬ。疾く去るがよい」
エリカはアテナの放つプレッシャーの中頭を下げ、神の猛りを感じて戦闘体勢へとシフトする護堂の腕を引いて下がり、その場を辞す。
護堂とエリカの帰った玄関でユカリは訳が分からぬと愚痴る。
「なんか私、蚊帳の外だったわ」
「彼らの目的は妾の目的を知る事であったのであろう」
「ふーん」
「何をのんきに構えておる。おそらく遠くなくユカリは騒動に巻き込まれそうなものよな」
「は?」
「神を殺せる人物が神殺しで無く一般人なのだから、彼らのあわてようが目に浮かぶ」
面白い事になりそうだ、とアテナ。
「え?あ、う?…ああっ!…ちょっとっ!もしかしてわざとなの?」
「なに、妾を倒したおぬしにちょっとした意趣返しよな」
「アーテーナー!?」
さて、ユカリの家を出た護堂とエリカは祐理と甘粕が待つ車まで下がっていた。
「ご無事でしたかお二人ともっ!」
神殺し、カンピオーネが居ると言えどさすがに神の居るところに出向いた二人を心配していた祐理。
「あ、ああ。大丈夫。相手が話が通じるやつだったからな」
と、護堂。
「どうでした、何か進展は有りましたかな?」
そう甘粕がエリカに問いかけた。
「そうね、アテナがどうしてここで晩御飯をいただいているのかについては問いただせたわ」
「ほお、…それで、なんと?」
「彼女…ユカリだったかしら?…勝負に勝ったその彼女の願いを叶えているらしいわ」
「なんと、まつろわぬ神に願いを叶えさせる存在が日本に居るとは…」
「彼女を使えばアテナを抱きこめるかも知れないという幻想はやめなさい」
と言ったエリカの言葉で若干甘粕の表情に険がさす。
「どういう事でしょう?」
「アテナ自身に拘束力も影響力も彼女は持っているようには見えなかったもわ。…それに」
「それに?」
「一度とはいえ神を殺した人間に魔術師程度が敵うはずがないわ」
「そんなっ!」
「神殺し…8人目のカンピオーネでいらっしゃるのですか?」
祐理は驚き、甘粕はいぶかしむ。
「いいえ、違うわ。それはアテナも否定している。アテナが嘘を言う必要性は感じないわね。殺されてもアテナが生きているのはアテナが不死の女神だからでしょうし。彼女を殺すにはそれこそ護堂の力(剣の言霊)でその霊核を切り裂かなければならない、と言うことかしら」
「なるほど
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