アーティストとエンジニア:二限目『発想の転換』
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、真剣白刃取りも出来る。
「OK! じゃぁ次からはもっと遅くなるよ。つーか途中途中止めながら振り下ろしてもらう。振り下ろすまでに2〜3分かかるから、結構キツいと思う。カメラの操作はリューナにお願いする。僕の合図で撮影ボタンを押してくれ」
そう言って陛下は再度剣を構えた伍長の傍に移動し、カメラ操作をリューナに託す。
「はい、じゃぁ……上段の構えでストップ。リューナ、撮影して」
「「は、はい」」
陛下の指示に女性が同時に返事した。
「次は剣をちょっとだけ前に振り下ろしてストップ。はいリューナ、ボタン押して」
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「……はい、お疲れさん。ゆっくり止まりながら剣を振り下ろすのは、思ってたよりも疲れたでしょ? 取り敢えず座って休んでてよ」
本当に2分以上かけて剣を振り下ろす動作を撮影し、俺の予想以上に疲れてそうな伍長を座らせると、陛下は撮影した写真を確認するべくカメラを操作し始める。
一体この連続撮影の写真に、リューナの考えている音声との連動が如何様に関係してくるのだろうか?
一つの動作をあんなに複数回に分けて撮影する意味はあるのだろうか??
俺にはまだ解らない。
カメラの小さな画面で写真を確認すると、それが記憶されている小さな魔道結晶をプリンターへセットして先程撮影した写真を全て印刷した。
印刷サイズはL判と言って89mm×127mmの物だ。何故“L判”なのか、何故“9mm×13mm”ではないのかは解らない。陛下が言い出したから……
「よし、ちゃんと印刷できたね」
そう言うと陛下は56枚の写真をテーブルへ一列に並べて俺等にも見せてくれる。
微妙にだけ違うポーズの写真を沢山撮影して如何な意味があるんだ?
「この写真を最初から最後のポーズへ順番に重ねて……」
更に陛下は写真を重ねていく。
一番上に上段の構えのポーズが見える様に。
重ね終わると写真の上部分を大きめのクリップで止め、写真下部を勢いよくパラパラッと捲って何かを確認している。
ただ陛下が自分の顔の前だけで確認してるので、それが何なのか解らない。
「よしOK。じゃぁ見てて」
確認し終わった陛下は、今度は俺等にも見える様に持ち替えてパラパラッと捲ってみせてくれた。
そして俺もリューナも、勿論モデルの伍長も驚く!
「凄い……一枚一枚は動いてないけど、連続して見ると剣を振り下ろしてるわ!」
「人間の手で紙を捲る要領だから途中途中ぎこちない様に見えるけど、これを機械で均一に表示できれば、もっと滑らかな動きに見えてくる。勿論だけど撮影も機械でスムーズに撮影できれば、その時に発した音声と組み合わせて、人が動いて・喋って・演奏してって感じの動画が出来上がる」
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