アーティストとエンジニア:一限目『相手の気持ちを察する』
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れるのであれば聞くわけにはいかないけど、そうじゃない範囲であれば話すだけ話してくれないかな?」
「そうね、私も相談に乗るわよ」
「ありがと」
太陽と同列くらいの眩しい笑顔でお礼を言われ、俺の目と心は失明の危機!
幸せすぎて、何時か反動が押し寄せてくるのではないか、怖くもある。
「まぁ二人には話しても構わない事なんだ……もう関係者だから」
「って事は、おと……陛下関連?」
『お父さん』と言いかけて慌てて訂正する。確かにこのカフェには無関係の人も大勢居るし、不用意な事は言えない。
「だとしたら、ここでは話せないわね」
「じゃぁ俺のアトリエに行く? “アトリエ”なんて偉そうに言ってるけど、城内にある作業部屋だけどね(笑)」
城内と言うだけあって、密室にすれば室内の会話は外に漏れない。相当な爆音で音楽を奏でない限りね!
「じゃぁ私は協力出来そうに無いわね。まだ仕事中だし」
そう言って俺の飲みかけのコーヒーカップを回収して精算を促すリューノさん。
こういう所に血筋を感じる。
(グランバニア城)
カフェで会計を済ませた後、俺はリューナと共に自分のアトリエへと向かう。
だが目的地に着く前に予想外の人物と遭遇する。
と言っても、城で遭遇しても不思議ではない人物……陛下である。
俺が予想外と思ったのは……多分だが、まだ芸高校では新楽器の受講受付をしている最中だろう。
俺等が芸高校を出る直前に見えた事務局は、受講希望者の人集りが出来ていたから。
だけどよく考えたら希望者の受付だけをして、後日に選抜すれば良いだけの事だし、受付自体は事務局の職員が行うのだし、陛下がご自身の家に帰ってきてても変な事ではないな。
寧ろ金曜の夕方に職場へ出向いてくる俺の方が違和感がある。
「あれ? 何でお前等、この時間に出仕してきてんの? もう一時間もしない内に今日の……と言うか、今週の業務は終わりだよ。公共施設ってのは、そういう時間に関してはキッチリしてんだから(笑)」
「あ、いえ……リューナが新しい開発に行き詰まってるみたいなので、相談に乗ろうかと……まぁ俺に出来る事なんて愚痴を聞くくらいかもしれませんけど」
「なるほど。それで機密保持の為も含めて、お前のアトリエに美少女を連れ込もうって魂胆?」
「何一つ間違ってませんけど、誤解が生まれそうな悪意ある言い方ですね。陛下はご存じないかも知れませんが、俺は彼女のご両親に挨拶を済まし、公認の仲になってますから!」
「え〜! 王様初耳(笑)」
彼女の父親が目の前の人物なのだが公にするわけにはいかないので、周囲で働いてる兵士やメイド等に聞こえる様にすっ惚けてみせたが、陛下も合わせ
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