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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第95話:疑惑追及
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の面会で話したことを反芻していた。

(ティーダ・ランスターの件への関与を否定されたのは意外だったな。
 てっきりスカリエッティがらみでの何かだと思ったんだけど・・・)

信号待ちの車の列を眺めながら、さらに俺は思考を進めていく。

(まあ、ゲイズ元中将のウソということも考えられなくはないけど、
 今の状況でウソをつく理由はない。とすれば、誰か別の人間が
 あの件に関する調査を止めなければならなかった理由があったわけだ)
 
信号が青に変わり俺はアクセルを踏み込んで車を発進させる。

(なら、それは誰か?どうももう一回調査委員会の議事を洗う必要があるな。
 そういえば、ゲイズさんは自分が欠席の会で決められていたって
 言ってたな。その線から何か見えてくるといいんだけど・・・)
 
再び信号待ちで車を停めると、ハンドルに身体をもたれかけさせる。

(なんにせよ、一度冷静になってゼロから考え直すしかないか・・・。
 それよりもだ)
 
ハンドルにもたれさせていた身体を起こしてシートの背に体重を預ける。

(ゼスト隊全滅の件にあんなウラがあったとはね・・・。
 話をしてる時には特に何も思わなかったけど、今にして思えば
 ちょっと冷静さを欠いてたよな。反省しないと・・・)

車を走らせながら小さくため息をつく。
やがて湾岸地区に入り隊舎が近づいて来る。

(ま、これでスカリエッティの件ではっきりさせておきたいことは
 だいたいはっきりしてきたかな・・・。あとは姉ちゃんか・・・。
 早く目を覚ましてくれればいいんだけど、医者もはっきりしたことは
 言えないって言ってたしな・・・)

車を停泊しているアースラの脇に停めて車から降りると
アースラに向かって歩を向ける。

(母さんや父さんも生きてたこと自体は喜んでるみたいだけど、
 いつ意識が戻るのか判らないんじゃな)
 
スロープの脇で警備に当たっている交替部隊の隊員にねぎらいの
言葉をかけてからアースラに向けてスロープを上る。

「ま、やるべきことを淡々とこなすだけか」

自分に言い聞かせるように小さくそう言うと、ハッチを潜って
アースラの艦内へと入る。

「おかえり、ゲオルグくん」

背後からかけられた声に足を止める。

「いきなり声をかけたらびっくりするだろうが」

振り返るとそこには通路の壁にもたれて腕組みしているはやてがいた。

「驚かせるつもりで声をかけたんやから、びっくりしてもらわな」

はやてはそう言ってニヤリと口をゆがめる。

「待ち伏せてたのかよ・・・暇人め」

「ま、暇っちゃ暇やね。裁判向けの捜査関係の仕事は捜査部と査察部への
 引き継ぎができるレベルまで片づけたから」

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