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ソードアート・オンライン 夢の軌跡
一家団欒
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な。速さはかなりのものになっているな。それに状況の判断もできているし、最後の一連の動きは特によかったと思うぞ。欲を言えば、力がもう少しあればなあ」
 純粋に誉めるだけではない点が、恭介さんのいいところだ。
「そうですか。やっぱり力が少し足りませんかね?」
「ああ。もう少し力があればいいとは思うが、今の体格ならその力でも十分だと思うぞ。それに相当な速さを持っているんだから、あまり気にしなくても大丈夫だと俺は思うぞ」
 これからも筋力トレーニングは続けていくが、やはり本格的には成長してから考えるべきなのだろう。
「わかりました」
「それじゃあ今回はこのくらいにしておくか。翔夜、親御さんも来てるんだからちゃんと話してこいよ?」
 気を遣われてしまったようだが、僕は言葉に甘えることにした。
「はい。行ってきます」
 頭を下げてから両親のところに向かった。
 そして近くの壁際に座っている父さんと母さんに声を掛けた。
「父さん、母さん。どうだった?」
「うん。凄いね、翔夜。こんなに強くなってるなんて思ってなかったよ。相手は師範代の人だったんでしょう? 引き分けるなんてね」
「いつの間にかこんなに強くなっていたんですね。少し驚いちゃいました」
 二人とも立ち上がって誉めてくれて、とても嬉しかった。
「今日は調子がよかっただけだよ。それにまだまだ玲音には全然追い付けすらしてないしね。本当に、もっと強くなりたいよ」
「そうですね。玲音君が凄く強いということは私も何度か聞いていますよ。なんでも師範の人以外には殆ど負けないみたいですからね」
 母さんは玲音の強さのことを知っていたようだ。
 父さんは母さんの言葉に興味深そうに相槌(あいづち)を打った。
「へえ、そうなの?」
「はい。何度か兄さんが自慢してましたから。玲音は俺の誇りだ、って言って」
「なるほど。笑顔の健太(けんた)さんが目に浮かぶよ。でも翔夜はそんな玲音君が目標なんだろう? だったらより一層頑張らないといけないね。けど、大きな怪我はしないように注意すること。わかっているよね?」
「わかってるよ。怪我をしないように最大限注意しながら努力をすること、でしょ? それにしても、伯父さんは玲音のことをそんな風に言ってたんだ」
 僕が伯父さんと呼んでいる、母さんのお兄さんで玲音のお父さんでもある春野健太さんは、普段は落ち着いていてしっかりものだという印象が強い人だ。だから玲音の自慢をしていたとは思っていなかった。
「意外でしたか?」
 母さんの問いに素直に頷いた。
「親は誰でも子供が活躍したりすると嬉しいものなんですよ。ね?」
「当たり前じゃないか。だから翔夜も頑張ってね」
 その言葉と共に、父さんが軽く僕の頭に手を置いた。
 そんな父さんに僕は笑顔で返した。
「うん
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