第3部
ルザミ
ガイアの剣
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言うとおり、精霊神だの火山を生み出しただの、どんどんスケールが大きくなって、私などが口を挟める余地すらない。そもそも剣が火山を生み出すって、いったいどういう理屈なんだろう?
「でもその説明だと、そのガイアの剣って火山を生み出すんでしょ? 火山なんか生み出しちゃったら魔王の城になんて行けないんじゃない?」
「確かにシーラくんの言うとおりだ。だが、逆に火山ができることで地形が変わることもある。それによって道が開ける可能性も、なくはないのかもしれない」
フィオナさんの見解は妙に説得力があった。けどやっぱり、そんなおとぎ話みたいなことが実際に起こりうるのか、にわかには信じ難かった。
「てことは、魔王の城に行くならオーブじゃなくても、そのガイアの剣ってのを見つければいいんじゃねえの? だってネクロゴンド山脈って、魔王の城から近いんだろ?」
ナギの考えに、一瞬ユウリは驚いた様子を見せたが、すぐに表情を戻した。
「バカザルにしては良く気付いたな。だが、魔王軍はオーブを集めていたサイモンたちをわざわざ襲ったんだ。ラーミアが魔王の城に行くのに必要なのは間違いない」
「あー、そっか……」
ということは、結局オーブ探しは変わらないという訳だ。さらに今度は、ガイアの剣も探さなければならない。
「ねえ、誰かこの島にガイアの剣のことを知ってる人っていないのかな?」
「この島にかい?」
私の疑問に、微妙な表情をするフィオナさん。
「どうだろうね。私以上に知識のある人間は、この島にはいないと思うが。それに、島の人たちは他国と交流することもまずないし、他国の人間が知ってる知識でも、ここの人たちにとっては聞いたこともないようなことばかりかもしれない」
「そうですか……」
「けど、確かこの島に一人だけ、他国から島流しに遭ってここにやってきた人がいたな」
「ホントですか!?」
思いがけない言葉に、身を乗り出す私。
「確かこの島で一番年配のセグワイアさんだったかな。昨夜の飲み会にも来てたはずだよ」
「ならそのセグワイアって奴のところに行って、ガイアの剣のことを聞いてみようぜ」
早速ナギもその提案に賛成する。しかしそれにユウリが待ったをかけた。
「そうは言うが、そいつは元犯罪者なんだろ? そんな奴に尋ねても大丈夫なのか?」
「まあ、確かに彼は元罪人だったが、夕べの飲み会でもわかるとおり、今さら悪事を働こうなんて気は起こらないだろう。それにこの島に来た時点で、罪は十分償っている。そんな彼を罪人と呼ぶのは些か見当違いだと思わないか?」
「……つまり気にするなということか」
フィオナさんの解答に、ユウリは完全に得心してはいない表情で返した。
そんな彼に対して、私は夕べの飲み会を思い起こす。みんなそれぞれお酒を酌み交わし、食事をしながら会話を楽し
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