第3部
ルザミ
ガイアの剣
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けど」
『ネクロゴンド火山帯!?』
シーラの一言に、私とユウリの声が重なる。
「心当たりがあるのかい?」
「ああ。以前船で魔王城の近くまで行ったことがある。あのときは火山が噴火してて近づくことできなかったんだ」
そうだ。確かあれはナギたちと別れた後のこと。船で魔王の城の近くまで行こうとした時、火山に囲まれて着岸することが出来なかったのだ。
それで、船で魔王の城に向かうことは不可能だと判断し、6つのオーブを探すことになったのだ。
ユウリの説明を聞いたフィオナさんは、顎に手をやり考えこんだ。そして、さきほど彼女が広げたページに再び目を落とす。
「この本によれば、『精霊神より生み落されし火と大地を司る鋼の力、ネクロゴンドに眠らん』と書いてある。おそらくその『鋼の力』というのは、剣のことじゃないだろうか」
『!!』
「『ネクロゴンドに眠らん』というのは、もともとその鋼の力という存在がそこにあったからだろう。そこに剣を突き刺すっていうのは、鋼の力……つまり剣を元の場所に戻すって意味なんじゃないかな?」
「……一理あるな」
フィオナさんの考察に、ユウリは深く考えたあとうなずいた。
「その続きは見てないんだよな、バカザル」
「ああ。場面が切り替わって、でっかい城が見えた。……ていうかいい加減バカザルっていうのやめろ陰険勇者」
「えっとつまりナギちんの夢では、ネクロゴンドの一番大きな火山の前でユウリちゃんがその剣を地面に突き刺したら、火山が噴火したってことだよね。そのあと魔王城っぽいシーンが出てきたってことは、そのユウリちゃんの行動で魔王城に行けたってこと?」
「そう考えるのが妥当だな。それとユウリ君、あの棚の上から二段目にある『古の武具の歴史』を取ってくれないか」
ユウリは無言でうなずくと、すぐに本を取りに行った。
「確か601ページだったかな。精霊神ルビスに仕える眷属について書かれていたはずだよ」
早速ページを開くと、文字と挿絵が両方載っていた。挿絵の方には、見たことのない剣の絵が描かれている。
「これは……」
「ナギ、君が見たのはこんな形の剣だったかい?」
フィオナさんがページを見せると、ナギは黙り込んだままじっとその絵を食い入るように眺めている。
「……ああ。間違いない。ユウリが持ってたのはこの剣だった」
「そうか。なら話は早い。この剣は、ユウリ君が持っている稲妻の剣と同じ、太古の昔から存在していると言われている。その名も『ガイアの剣』だ」
「ガイアの剣?」
全く聞き慣れない名前に、私だけでなくナギやシーラも首を傾げる。
「この本によると、精霊神ルビスにより生み出されたガイアの剣は、火と大地を司り、世界中の火山を生み出したともいわれる」
「さっきから随分と壮大な話になってるな……」
ナギの
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