暁 〜小説投稿サイト〜
俺様勇者と武闘家日記
第3部
ルザミ
ガイアの剣
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
施されている。そしてしばらく眺めたあと、フィオナさんは何かに気づき、目を見開いた。
「これは……、もしかして『稲妻の剣』かい?」
「さあな。どんな剣か調べる前に旅に出たからな。あんたはこの剣を知ってるのか?」
「古い文献でね。今から数百年……それこそ勇者物語のもとになったと言われる神話の時代からあった、伝説の剣だ。確か本によれば、『長きにわたりネクロゴンドの山奥に眠っている』と書かれていたが、この剣は描かれている挿絵とそっくりだ」
「てことは、本物ってこと……?」
 私が息を呑むと、フィオナさんは首を傾げる。
「うーん……、レプリカの可能性もあるが、わからないな。本物かどうか確かめるとすれば、どうやら稲妻の剣には、特別な力が秘められているらしい。それを引き出すことができれば、間違いなく本物だ」
「どんな力なんだ?」
「それはわからない。何しろ大昔の話だ。この剣が実在しているという事実が伝わっているだけでも奇跡に近いさ」
 フィオナさんはユウリに剣を返すと、今度はナギに向き直った。
「ナギ。その夢はきっと、お前に降りかかるこれからの未来のことだ。私の見解だと、不気味な城というのはおそらく魔王の城。お前たちを包む大きな影は、魔王のことだと思う」
「魔王……!」
「お前の持つ予知夢は、必ず起こる出来事だ。ということは、将来必ず魔王の城にたどり着くということだ。だから、怖れるな。未来が確定しているのなら、今から対策を考えればいいのだから」
 フィオナさんの言葉は、不思議と説得力があった。ナギも心なしか安堵した顔を見せた。
「ねえ、そのナギちんが見たっていう、火山に関する情報が載ってる本ってどこにあるの?」
 すると、ちょうどタイミングを見計らっていたのか、シーラが口を挟む。
「ああ。今その本のことを考えていたよ。シーラ君、あそこにある『世界の海と火山』と書いてある本を取って来てくれないか?」
「りょーかい♪」
 シーラをは早速本棚へと向かうと、すぐに目的の本を取り出した。
 一方のフィオナさんも別の本棚の前に立ち、 とある本を手にすると、パラパラとページを開いた。覗いてみると、昨日とは違い、今度は私にも読める字で何か書いてあった。
「ナギ、君が見た火山というのは、どんな様子だった?」
 突然のフィオナさんの問いに、ナギはうーんと唸りながら答える。
「あんまりはっきりとは覚えてねえけど、ユウリがいた火山以外にも、あちこちの山で噴火してたな。そうだ、確か山の向こうに、海が見えてた気がする」
「複数の火山と海……、となれば、あそこしかないな。シーラ君、282ページを開いてくれ」
「はーい♪」
 シーラはフィオナさんに言われるがままにパラパラとページをめくり、とある場所で手を止めた。
「……ネクロゴンド火山帯って書いてある
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ