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俺様勇者と武闘家日記
第3部
ルザミ
ガイアの剣
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ねるも、ナギは吹き出す汗をぬぐうこともせず、息を荒げたまま動かない。
「ナギちん、どしたの?」
 シーラも心配そうに顔を覗き込む。だが、私たちの存在など気にも止めていないようだった。
 するとそこへ、フィオナさんも下りてきて、ただならぬ様子のナギに声をかける。
「ナギ……、その様子はまさか、『視た』のか?」
 彼女の言葉に、びくりと反応するナギ。フィオナさんを見上げると、小さく頷いた。
『視た』って、もしかして予知夢?
 でも予知夢を見たときって、いつもこんなに具合悪そうにしてたっけ?
「ゴーシュもお前の夢を視たとき、そんな感じだったよ。夢の内容が自分にとって重大であるほど、力を消費するんだろう。それで、どんな夢を視たんだ?」
 フィオナさんの冷静な口調が、困惑するナギを落ち着かせた。ナギはゆっくり息を整えると、訥々と話し始めた。
「どこかはわからねえけど、険しい山がいっぱいあって……、その中でも一番高い山の前で、あいつ……ユウリが見たこともねえ立派な剣を持って立ってた。そこでユウリがその剣を地面に突き刺した瞬間、目の前の山がいきなり噴火したんだ。そのあと場面が切り替わって、滅茶苦茶デカくて不気味な城が見えた。その城の中に入ると、城の中を包むくらい大きな影が現れて、……オレたちを飲み込んだ」
「飲み込んで……、それで終わりかい?」
「ああ。それで目が覚めた。正直怖くてこれ以上見られなかった」
 ナギは額の汗をようやくぬぐうと、大きく息を吐いた。あのナギが怖れるなんて、どれほど恐ろしい夢だったのか想像もつかない。
「情報が多いから、一度整理しよう。まず、ユウリくんが持っていたという立派な剣というのは、何のことだろう? そもそもその剣を武器として使わず、なぜ地面に突き刺したんだ?」
「俺の剣が何だって?」
 トイレから戻ったユウリが、若干ふらふらしながらも私たちのもとへやってきた。
「大丈夫? 二日酔い?」
「ああ。夕べバカザルたちが無理やり酒を勧めたせいで……、いや、そんなことより何の話をしているんだ?」
 私はユウリにナギの夢の内容を説明した。すると、彼もフィオナさんと同じ疑問を抱いたようで、部屋の隅にある自分の剣を取りに行った。
「俺は旅に出た時からこの剣を使っている。バカザルが見たことがない剣ということは、この剣じゃないってことだな」
「そういえば、ユウリが今持ってる剣も立派だよね。誰かからもらったの?」
 そう言って私はユウリの剣に目をやった。
「この剣は旅に出る前にジジイからもらったものだ」
「ユウリくん。ちょっとその剣を見せてもらえるかな?」
「ああ」
 ユウリは頷くと、フィオナさんに剣を渡した。彼女は鞘から剣を抜き、その外観をまじまじと見る。金色に輝く刀身には、邪魔にならない程度の細かな装飾が
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