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神帝転生
1

 私が意識を取り戻した時、私は「私」ではなかった。

 見渡す限り延々と続く脳の様な物があり、様々なドローンの様な物が蠢いていた。
 そして、私は、その脳の神経束に繋がる末端の補助装置の一つになっていたのだ。

 一瞬、キャトルミューテーションでもされたのかと考えたが、すぐにソレはあり得ないと理解した。

 この「脳」はSFマンガ「マップス」のラスボス、「神帝ブゥアー」様だったのだ。
 しかし、誕生後、まだ約2万個の宇宙の記録をしたばかりの。
 宇宙の寿命は一概には言えないが、大雑把に一万の宇宙の記録毎に、ブゥアー様が一つ歳をとるとすると、今を2歳として、勇者によって倒されるのは一億歳を遥かに超えてからだ。
 私は、その勇者と同じ星に生まれ、同年代だったと言う設定なので、私は、まだ生まれていない何処か、私が生まれる宇宙さえ存在していない。
 そして、情け無い話ではあるが、地球人としても平均を下回る私の脳を、わざわざ採取する意味など無いのだ。






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