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黒崎一護の異世界物語
弾き出された一護
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人を喰らおうと襲っている。

月村の吸血種の血は虚に取って死神や異能者の次に好む混血に属する血である。
そのため、一般人の魂を喰らうよりより力が増すためである。

振り下ろされる腕を忍とファリンは横へ、ノエルはすずかを抱え込んで後ろへ飛んで躱す。

だが、忍やファリンにノエルはまだしもたった6歳で戦いというモノを知らないすずかに取っては死の空気等味わった事がまず無い。

だから泣いてしまうのは仕方がない。

「ひっ!……ぐすっこわ、こわいよぉぉぉ………!!」

すずかの泣き声にノエルとファリンはAK−47アサルトライフルを構え、目の前の虚に向けて連射する。

鉄板だろうと穴だらけにする鉛の雨。だが、霊子で構成されている虚には毛筋程のダメージも無い。

ダメージが無いのに二人は撃つのを止めない。

それは護るため。

自身が仕え、愛している二人を護るために。

二人に毛筋程の傷も付けてはいけない。

例え。

自分達が壊れようとも。

だが二人は………いや、三人は甘かった。虚が目の前にしか現れていない為に虚は一体しかいないと錯覚していた。

「グオォォォォッ!!!」

ドスンッ!!!

四人の後ろにさっきのと同じ虚が咆哮しながら二体も現れた。

さらに、空には翼を生やした鳥のような虚も飛んでいる。

「う………そ……。流石にヤバいわよ?あんなのがさらに二体」

「そして、空にも一体いますね」

「ふぇぇぇぇん!!誰か助けてくださいぃぃぃ!!」
ファリンの泣き言も理解できる。一体でも勝ち目が無かったのに、さらに同じ奴が二体と例え逃げようが空から奇襲可能な空にいる虚。

三人は中心にすずかを置いて円陣を作る。

そう。自分達が死んでもすずかだけは助ける。

「ターゲットロック。発射」

ノエルの腕がさっきまで戦っていた虚の腹へ飛ぶ。

それはロボットには欠かせないロケットパンチ。

が、腹に当たった瞬間まるで鉄に当たったかのような手応えを感じ弾かれる。

「それがどうしました!!」

スカートの裾からナイフを抜き放ち、虚の顔の仮面に投げる。

ノエル達は知らなくてたまたまだったのだろうが、虚の弱点はその仮面である。

破面ではない虚が仮面を壊されれば霊子を持ってすら存在することは出来ない。

そう。今のナイフに少しでも霊力が込もっていれば倒せただろう。

霊力の籠っていないナイフは簡単に弾かれ、空から降ってきた霊力の弾丸を察知できずにノエルは吹き飛んだ。

虚に熱源があれば察知できた。だが、霊力には熱源なんぞない。故に、直撃したのだ。

だが、四人は知らない。

虚とは悪霊。霊力を持たない者には認識出来ない存在。


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