第四章
[8]前話
「今話した通りだよ」
「その話俺も知ってるがな」
「ネットでも言ったかってか」
「内心思ったよ、お前の話聞いた後だったからな」
「そうか」
「もうな、終わりだろ」
友人は軽蔑しきった目で言った、居酒屋の個室で飲みながらそうした。
「毎朝は」
「やっぱりそうか」
「あんな呟き書いてな」
ツイッターでというのだ。
「それでな」
「炎上になっても責任取らないで逃げてか」
「そんなこと平気で話しているならな」
「毎朝は終わりか」
「事実どんどん発行部数落ちてるだろ」
「それで不動産で生きてるよ」
そうなっているというのだ。
「グループのな」
「新聞社が新聞の発行部数で生きられないならな」
「それならだよな」
「終わりだろ、しかし感染症でそんなこと言って書いて」
「そんなのだとか」
「終わりだろ、痛快じゃないだろ」
友人は眉を顰めさせて言った。
「この騒ぎな」
「本当にそうだよな」
「ああ、それでお前どうするんだ」
友人は今度は記者に問うた。
「残るか?あそこに」
「いや、もうどうにもならないってな」
記者は眉をこれ以上はないまでに顰めさせて答えた。
「わかったからな」
「だからか」
「ああ、他の新聞社に行くよ」
「何処行くんだ?」
「八条新聞から声かけられてるからな」
「ああ、あそこか」
全国紙のその新聞を聞いてだ、記者は顔を明るくさせた。
「あそこは比較的公平で冷静だしな」
「それならか」
「ああ、声かけてもらってるならな」
「それならか」
「行けばいい、もう毎朝は終わりだ」
それこそというのだった。
「だからな」
「もういいか」
「ああ、本当にな」
こう言ってそうしてだった。
この記者は毎朝を去った、そして八条新聞社に移ったが毎朝は問題を起こし続けその度に批判され発行部数を落としていった。
また筑紫も。
「性懲りもなくツイッター復活させてな」
「それでか」
「ああ、またおかしなこと書いてるよ」
「反省も何もしてないんだな」
友人は記者の言葉を聞いて言った。
「自分が感染症にならないとわからないか」
「そんなので記者だとな」
「ああ、終わりだな」
記者に憮然として言った、この日も二人で飲んで話していたが。
二人共酒も肴も美味いと思ったが楽しい気持ちはしなかった、二人で筑紫の復活したツイッターを読むと感染症のことではないが平気で無神経なことを書いていた。その呟きに完全な終焉を見てそうなっていた。
感染症は痛快か 完
2023・3・13
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