第一章
[2]次話
黄金の葉
ドイツの古い話である、ある村にフレデリカという羊飼いの娘がいた。青く澄んだ大きな目に左右を三つ編みにした長い髪の毛に白い肌と楚々とした顔立ちの小柄な少女である、羊飼いの仕事だけでなく糸紡ぎもしていた。
日々仕事に励んでいたが貧しかった、その彼女が家で仕事をしているとだった。
「いい?」
「ちょっといい?」
「貴女にお願いがあるけれど」
「いいかしら」
「何かしら」
少女達の声が聞こえてだった。
フレデリカは手を止めた、そしてだった。
窓を開けて外を見るとだった。
そこには白く輝くワンピースの服を着て頭に野花の冠を被った少女達がいた、皆奇麗な髪の毛と目それに白い肌を持っている。
その彼女達がだ、フレデリカに言ってきたのだ。
「私達妖精なの」
「カバノキの妖精なの」
「よかったら踊らない?」
「私達と一緒にそうしない?」
「わかったわ、けれど待って」
フレデリカは妖精達にこう返した。
「今はお仕事があるから」
「糸紡ぎのお仕事?」
「それをするのね」
「そうなのね」
「お仕事は絶対にしないといけないから」
だからだというのだ。
「悪いけれどね」
「貴女は真面目ね」
「とても真面目ないい娘ね」
「お仕事を忘れないなんて」
「とてもいい娘ね」
「じゃあ待つわ」
妖精達は少女ににこりと笑って応えた。
「そうさせてもらうわ」
「じゃあ終わったらね」
「その時に踊りましょう」
「そうしましょう」
「ええ、待ってね」
こう話してそしてだった。
フレデリカは実際に糸紡ぎの仕事をした、そしてだった。
それが終わってから妖精達と一緒に踊った、その踊りはというと。
「上手ね」
「明るくハキハキとしていて」
「いいダンスね」
「いいものよ」
「有り難う、じゃあ一緒に踊りましょう」
仕事を終えたフレデリカは笑顔でだった。
心ゆくまで踊った、それは三日続いたが。
三日目の踊りが終わった後でだ、妖精達は彼女に言った。
「三日の間ずっとお仕事していたわね」
「お仕事が終わってから踊っていたわね」
「お仕事は忘れなかったわね」
「そうだったわね」
「そのことに感心したわ」
こうフレデリカに言うのだった。
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