第四章
[8]前話
「本当にね」
「それは何よりだよ」
「全くだよ、ではこれからお茶会に参加して」
「お茶を楽しむね」
「お菓子もね」
「うん、ではね」
「これからね」
兵隊さんに笑顔で告げてです。
兎は時計と共にお茶会に参加しました、ですが。
他の参加者の人達と一緒に紅茶やお菓子を楽しんでいると何とです。
そこに途中時計が言っていた女の子そっくりの外見の娘が来ました、時計はその娘を見て兎に言いました。
「あの娘はさっきの」
「その娘がなんだ」
「ここまで来るとは」
「また思わなかったね」
「はい、お茶会には招待されてないですね」
「そうだろうね、どうなるのかな」
首を傾げさせて言うのでした。
「あの娘は」
「さてさてですね」
「穏便に済めばいいけれどね」
時計とこんなことをお話しました、ですが女の子はここでとんでもない騒動を起こして皆大騒ぎになりました。
そして気付いたら女の子は何処かに消えていて王様も女王様も他のお茶会の参加者の人達もあの娘は何だったのかと思いました。
それは兎もで何かと色々あるこの世界ではこんなこともあるのかと思いましたが。
後日です、兎は本屋さんでルイス=キャロルという人が書いた本を買って家で読んでそのうえで時計に言いました。
「どうもあの時の女の子のお話がだよ」
「その本のお話になっていますか」
「そうなっているよ、僕の近道がね」
それがというのです。
「あの娘が僕を見てついて来て」
「物語になっていますか」
「うん、こんなことになるなんてね」
兎は本を読み終えてから言いました。
「面白いね、僕にとっては近道を走って」
「その間挨拶していって」
「それだけだったんだがね」
「あの女の子には大冒険でしたか」
「不思議の国のね、いやこうなるなんて」
兎は今度は笑って言いました。
「僕にとっても不思議なね」
「大冒険でしたか」
「あの娘がそうなったきっかけの」
ほんの近道のつもりがです。
「そうなったよ、ではまたね」
「その本読みますか」
「そうするよ」
紅茶とお菓子を出してでした。
兎はまたその本を読みました、そしてこの本と続編の鏡の国のアリスは彼にとって愛読書となったのでした。
ラビットアドベンチャー 完
2023・2・12
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