第一章
[2]次話
ラビットアドベンチャー
朝にでした。
兎は自分の懐中時計に言われました。
「ご主人今日はお茶会ですよ」
「ああ、王様と女王様が催される」
兎も言われてはっとなりました。
「明日じゃなかったか」
「何言ってるんですか、今日ですよ」
時計は兎に言いました。
「カレンダー見て下さい」
「あっ、確かに」
お部屋の壁のカレンダーを見ると今日お茶会とありました。
「そうだね」
「準備出来てます?」
「明日と思っていたからね」
だからだという返事でした。
「今日の夜にだよ」
「準備されるおつもりでしたか」
「それで明日の朝早くにね」
「出発されるおつもりでしたね」
「そうだったけれど」
「あの、ですが」
それでもというのでした。
「今日ですから」
「これは大変だ」
兎はようやく事態が呑み込めてきました。
「では今からだ」
「準備しましょう」
「うん、朝ご飯を食べて」
「すぐにですね」
「そして身だしなみを整えて」
そうしてというのです。
「そのうえでね」
「出発ですね」
「そうしないとね」
「うちからトランプの国は遠いですよ」
「列車が通っていないからね」
兎は残念そうに言いました。
「それだとすぐなのに」
「しかもご主人馬に乗れませんし」
「兎だから自分で走るのが得意でも」
「こと乗馬になりますと」
「専門外だからね」
その為にというのです。
「そちらは駄目だよ」
「だからですよね」
「駆けていくしかね」
「兎らしく」
「そうしていくしかないよ」
「左様ですね」
「途中色々とあるけれど」
それでもというのです。
「全部越えていってね」
「チェシャ猫さんや芋虫さんとお会いして」
「挨拶もしてね」
そうしてというのです。
「走っていって」
「間に合う様にしますね」
「王様と女王様が催されるから」
「やっぱり遅刻は駄目ですね」
「それはこれ以上ない不敬だよ」
それになるというのです。
「だからね」
「急ぎましょう」
「うん、では人参を齧って」
「歯を磨いて毛づくろいをして」
「シルクハットにタキシードも身に着けて」
「蝶ネクタイも結んで」
「そしてだよ」
そのうえでというのです。
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