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私の 辛かった気持ちもわかってよー
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 全国大会の結果は、みく美は3回戦敗退だったけど、他は璃々香先輩のシングルスと団体戦は準決勝で敗退していて、私達のダブルスも決勝で敗退。学館の衣笠響も決勝までいっての敗退だった。そして、今年は学館と夏の合宿を合同で行うことなった。コーチは今年は有力校の集まる信州の菅平か白馬でと、校長に掛け合ってくれたが予算の関係で、拒まれて、もっと近くでと、だけど、いつものところは、予約が遅れてしまってコートの時間が自由に取れず、結局、神鍋高原で5泊となっていたのだ。

 3年生は、もう、引退なのだけど、璃々香先輩と多田先輩は参加することになっていて、向こうの3年生は衣笠響と追分すずみと言う人の二人。4人とも、スライドで大学に進学するから受験勉強は無いのだという。織部先輩は教育大志望だから、受験勉強のピッチを上げて行くと言っていた。ウチの学校は2年が6人、1年が5人で11名なんだけど、向こうは1.2年併せて20人ぐらいで、そういう点では圧倒されていた。それに、監督、コーチが2人、ウチはコーチと去年も来てくれた古賀さんなのだ。

 当日の朝は7時京都駅集合で、全員がクラブの名入りのジャージで集まっていた。早かったのだけど、JR特急とバスに乗り継いで11時前には合宿所に着いていた。コートは午後1時からで、部屋にも夕方までは入れないので、ロビーの片隅に荷物を置いて、それまで自由行動になった。お弁当に、各自がおにぎりかサンドイッチのようなものを持ってくるように言われていたので、私はおにぎりを持参していた。

 宿舎はロッヂ風で、冬はスキー客を迎えるらしい。コートは歩いて数分のところなので、私達、2年の6人はそっちの様子を見に行って、付近に座ってお昼ご飯にしたのだ。

「なぁ 人数でも圧倒されるけど、ウチな 高校 学館に行こうと思ってたんやけど、担任の先生に安全考えて、音女にしろって言われたんやー そやから そういう点でもなー」と、美湖が言ってきて

「なんやー ウチかってー 同んなじやー そやけど、ウチには山葵とみく美がおるヤン 実力では、勝ってるでー」と、こころが鼓舞してきていた。

 お風呂場で着替えて、ロッヂの玄関前で全員が揃ったところで、それぞれの自己紹介が始まった。向こうのキャプテン小野寺鏡(おのでらきょう)は2年生で総体予選の準々決勝でみく美が勝った相手なのだ。そして、小野寺鏡と保津聖華(ほづせいか)は、ダブルスの時、美湖・麗香に勝った学館の第二ペァなのだ。おそらく、今度の学館のエースふたりだ。

 それぞれが、どんな思いを抱いてコートに向かったのかはわからないが、私は、相手の良い所を教えてもらうんだと、自分に言い聞かせていた。コートを5面借りていると言うことで、この日は、それぞれの学校に別れて練習を終えたのだ。

 璃々香先輩と
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